最近、レザークラフトに夢中のメカ好きおじさんです。
そろそろ本格的に注文受けて商売を始めようかと思案中です。
ここのところ、「ロングウォレット」「ウォレットチェーン」「ハーフウォレット」「スマホケース」と、どちらかというとオフの時間、遊びの時に使うモノばかり手がけてきました。
ここらでちょっとしこうを代えてビジネスシーンでも使えるものを作ってみました。
それがこの「ヌメ革の二つ折り財布」です。
この手のものは色つきのオイルレザーなどの革で作ることが多いようですが出来上がりが手作りっぽく見えないので今回はあえて手作り感を演出するためにいつもと同じヌメ革を使いました。
デザインや仕様は特に奇をてらわず、オーソドックスなものとしました。
中仕切り付きの札入れ5カ所のカードポケット、ホックボタンで留められるコインポケットです。
まず形と構造を考えてサイズを入れた型紙を作りました。
大きさは小さい割にパーツ点数はけっこうあります。
①財布外側
②札入れ上部内側
③札入れ中仕切り
④カード&コインベース
⑤カードポケットA
⑥カードポケットB
⑦カードポケットベース
⑧コインポケット
⑨コインポケットフラップ
⑩コインポケットフラップ裏
⑪コインポケットベース
これだけの型紙が必要になります。
※ ここで作成しているパスケースの型紙を無料で配布しています
※コメントを書いていただいたメール宛てに返信したパスワードを入力するとダウンロードできます
「作ったらうまっくいったよ」「ここがダメだったよ」とかの一言でけっこうです。
一番下のコメント欄でよろしくお願いします。
使った革の厚みですが、①財布外側 だけは丈夫なものを使いたかったので1.8mmのものを使用。
②札入れ上部内側 は裏打ちするだけなので0.5mmのもの、それ以外はすべて1.0mmを使いました。
一番革が重なる部分の厚みを考えるとこれでも厚いくらいですがこれ以上薄いとラフに厚かった時に傷みが出そうなのでこれで作りました。
上記の型紙の中で⑥カードポケットBのパーツだけは同じものを3枚作ります。
これを工作用紙で型紙にして革に乗せ周りか角ポイントを鉄筆でなぞって型を写します。
この時私はケース外側などの角丸のところはこの段階では直角のままカットしておきます。
あとで重ねる他のパーツと一体化したときに一緒に角丸にカットした方が同じサイズで出来るのでこの方法をとっています。
革を裁ちナイフか大型カッターでカットします。
最初のそれぞれのパーツの床面とあとでは処理できないコバの部分にトコノールを塗って処理しておきます。
他のパーツと接着する部分にはできるだけトコノールが付かないようにします。
後でヤスリで削りおとしてもいいのですがこの段階で対処できるものはやっておきまうs。
そして銀面の方にはピュアホースオイルを塗って作業中の汚れをつきにくくします。
最初にカードポケットを縫っていきます。
カードポケットは一番下の前面⑤カードポケットAとその上の三枚の⑤カードポケットBの合計四枚のパーツを⑦カードポケットベースに縫います。
一番下になる上のパーツの底辺部分を縫います。
いつもは目立たないように白いスヌース糸を使いますが今回は縫い目も一つのデザインにする意味で濃い茶色の細い糸を使い縫い目もいつもの4mmではなく3mmの細かいピッチにしました。
⑤カードポケットAと⑥カードポケットBの底辺がすべて縫えたら右端の部分だけを縫います。
その前のここの段差をヤスリでならして平らにしておきます。
左側はほかのパーツと接着してから縫います。
同様に他のパーツも順に縫います。
コインポケットを作ります。
今回は折りたためるデザインにしたのでちょっと複雑な形になっています。
型紙どおりにつくっても革の厚みや曲げた時の状況でうまく収まらないこともあるので現物合わせで重なり部分のサイズを調整します。
⑧コインポケット の角になる部分を45度に折って角が直角になるようにして折り目を強く擦って定着させます。
ここに⑨コインポケットフラップ 当ててみてうまく重なるかダブルっているところが無いかチェックします。
まず⑩コインポケットフラップ裏 に穴を開けジャンパーホックを打ち込みます。
そしてそれが隠れるように⑨コインポケットフラップ と重ねて接着します。
このフラップのパーツにコインポケットを縫います。
財布外側、中仕切り、インナーパーツセットが出来たらこれらを縫い合わせます。
ここまでシンプルなデザインで作ってきましたが財布の表面もヌメ革のツルッとしたままで味気ないし手作り感が出ていません。
せっかく私が作るので今まで作ったロングウォレットやスマホケース同様、パイソン柄の立体飾りを追加しました。
サイズが違うので曲げた状態でサイビノールで接着して仮止めします。
その後で菱目打ちで穴を開けて塗っていきます。
最後に全周囲のコバを平らにならした後で半丸に仕上げて完成です。
出来上がった二つ折り財布です。
一見、うまく出来たようですがパイソン柄の型紙を作った際、取り付ける位置を間違えたので縦横比が逆になってしまいました。
財布の外形に合わせて横長に作るべきでした。
パーツが出来たから気がついたのですが作り直すのが面倒なのでそのまま付けちゃいました。
開いたところです。
札入れの中仕切りも付いています。
コインポケットも大きく開くので小銭も探しやすいです。
厚みはちょっと厚め。
最近、一ヶ月ちょっとの間に作った作品です。
けっこういろいろ作ってますね。
今回の反省点と、次に二つ折り財布をつくる際の改良点
・外形サイズ(①財布外側)の縦の長さは、95mmでなく3mmほど低い92mmでもよさそう
・カード&コインベースのサイズは実際には213mmで作ってしまったので、開いたところの写真でわかるようにあまり平らに開かなくなってしまった。
もう少しのばして220mmくらいでいいと思う
・全体の厚みがありすぎたので、まずはパーツ点数を減らすために、例えば⑦カードポケットベースと⑪コインポケットベースは、④カード&コインベースと共用の設計にしたらどうか。
また⑤カードポケットA、⑥カードポケットBや ⑧コインポケットを1mm厚で作ったが、少し漉いて0.8mmくらいにしたらどうか
・すべてのパーツを貼り合わせてから菱目打ちで縫い穴を開けたが、厚すぎるのと段差があるため菱目打ちが垂直に打てずに穴が直線にならずに不揃いになってしまった。
あらかじめ財布外側パーツに穴を開けておき、貼り合わせた後は菱目打ちではなく、ひしキリで出来るだけまっすぐに開けたらどうか
そのほかにもまだまだ改良する余地がありそうです。
まあ、実際につかってみればとりあえずは実用になりそうなのでヨシとしましょうか。
※ ほかの財布・ウォレットの参考です
■ヌメ革の二つ折り財布
ビジネスシーンでも使えるシンプルな二つ折り財布を作ってみた
■二つ折り財布の作り方・スリムに仕上げた改良版
前回作った初めての二つ折り財布は、革の厚さと構造の問題から厚くなり過ぎたので、もっとスリムタイプに改良したものを作ってみました
■コードバンを使ってパーツ数を抑えたシンプル二つ折り財布
ビジネス財布でも高級品に使われるコードバンを表側に使った二つ折り財布です。
極力パーツ点数を少なくしてシンプルに仕上げました
■ロングウォレットの作り方
レザークラフトを始めた男性なら誰でも一度は作ってみたいと憧れる「ロングウォレット」です
■カービング付きロングウォレット
ロングウォレットの二作品目となるカービングを施した革をあしらって作ってみました。
今まで使っていたものと同じ仕様です
■ハーフウォレット
ロングウォレットを見た奥さんからの希望で作った、ハーフサイズのウォレットです。
縁かがりをして豪華にしています
■コードバンでシンプルな名刺入れ
表に黒光りする高級なコードバンを使い、内側には名刺がたっぷり収納できるようにヌメ革を立体成型して、ビジネスにも使えるシンプルなものにしました。
革の立体成型もやっています。
■すべてのレザークラフト作品
※ レザークラフトをやるなら手縫いセットとレーシングポニーは必需品です。
コメント
ToLucky さんへ、
興味をもっていただいてありがとうございます。
型紙のダウンロード用のパスワードを、
お送りいただいたメールあてにお送りしました。
うまくできるといいですね。
二つ折りの財布、作ってみたい✨
型紙はまだダウンロード可能ですか?
匿名さんへ、
おっしゃるとおり、そうなんです。
お恥ずかしい限りです。
はじめての二つ折り財布で、革を何枚も重ねたので
菱目打ちがまっすぐ打てずガタガタになってしまいました。
縫い目ガタガタやな
ぬこねこ さんへ、
はじめまして!
恋人さんへのプレゼント用なんですね。
レザークラフトは最初に工具さえ揃えてしまえば
あとは材料の革を買うだけで作品がどんどん出来ちゃいます。
しかも出来た作品は十分実用になりますし、
使う人が便利なように仕様やデザインが変えられるので
その人にあったものが出来ますよ。
基本的な技法さえわかってしまえば、
最初の作品からかなりのものが出来ます。
こちらのサイトをご覧いただいていますが、
レザークラフトの技法や私が作った作品の作り方だけを載せた
「メカ好きおじさんの初心者向けレザークラフト講座」
url:http://greenleaf.ddo.jp/leathercraft/
の方がわかりやすいと思いますので、
そちらのサイトも見てくださいね。
恋人の財布が古くなってきていたので、新しいのを。。。
と思っていて、手作りのものを作りたいなと考えました。
挑戦しようとおもい、二つ折りの革財布のデザインを検索していたところ
こちらのページにたどり着きました。
恋人のもっている財布の形状と似ていて、
私も使うのであればこの作りがいいなと思っていたので
このページに出会えて嬉しいです(笑
初めてレザークラフトというものをチャレンジしようと思うのですが、
こちらのページなどを参考にして頑張ってみようと思います!
またこのまま趣味になればいいなーって思ってます!
これからもレザークラフト楽しんでください(*´ω`*)!
don さんへ、
レザークラフトという趣味は、
私には相性がよかったようです。
「これなら欲しい」と言っていただける方は
いらっしゃるのですが、
たぶん材料費や手間賃を考えると
市販のものを買われた方が安いかもしれませんね。
私が作ったもののメリットとしては、
サイズや仕様を希望に沿えるというくらいでしょう。
楽しんで手作りが出来るとは(^_^;)
私にもひとつ!お願いしたところですね(^_^;)なんて