元日にネットで見たかに太郎さんの開業当時のイラストに触発されて作り始めたのですが、最初から建物だけでなくジオラマとして完成させるつもりでした。
3Dプリンターで建物の試作を続けていく中で、隣の家との境の木製柵や立て看板も制作していました。
現在、この木製柵は風雨にさらされて劣化していますが開業当時はちゃんとあったと思われますのでそれを再現しています。
ジオラマにする場合、ただベースの上に載せただけではホコリや細かいパーツの破損が心配ですので透明ケースにします。
もともとこのケースにいれることを想定してサイズを決めていたこともあります。
塗装前ですが並べてみました。 サイズ感はイメージ通りです。
ケースの形に合わせて建物や柵、お店前の道路や緑の部分の配置をラフスケッチしておきます。
ケースの底面の上に一度コルク板を貼ってその上に造形していきます。
現在版の建物と店内備品の方が先にできましたので並べてみました。
備品以外では歩道との道路の縁石と駐車禁止の標識をつくってみました。
縁石はグレーを汚して塗ってみましたが濃すぎるようです。
車道はこの段階では紙に印刷したものを貼ってみましたがちょっと雰囲気が合いませんね。
開業当時版の建物の塗装も完成しました。
車道をはがしました。
土地のベースはたいらではないので紙粘土で造成します。
建物を配置する部分は平らにして塗装もしないのでその形だけ切り取った型紙を3Dプリンターでつくりました。
縁石も作り直しました。 お店に入る部分は低く斜めにして左右は少し高めにしてあります。
ベース一面に起伏をつけながら粘土をのせていきます。 ここでは指先に水をつけながらなめらかに表面を仕上げます。
縁石の上に紙粘土が付いてしまっていますがあとで塗れたティッシュで拭けば取れるので気にしません。
未舗装部分はツルッとしていては不自然なので古歯ブラシで垂直に軽くたたいてざらざらに荒らします。
車道はジオラマづくりではよく使われる耐水紙やすりでつくってみましたが、これでは濃すぎるしだいたいグレーというよりは薄いベーシュ系になっているほうがリアルですので後で塗装して仕上げます。
3Dプリンターでつくった縁石は、一コマ一コマの隙間を深くしてありましたので紙粘土を水で溶いて少し埋めておきました。
1日半置いて紙粘土が完全に硬化したのを確認します。
紙粘土は固まると収縮するのでひび割れやヒケが生じます。
今回、それほど厚くしなかったのでひびはなかったですが周囲のところはケースやコルクのところに隙間ができていました。 その部分を紙粘土で再度埋めてさらに硬化するのを待ちます。
そのあと、全体をグレーの濃淡をつけて塗装します。 ムラがあったほうがリアルに仕上がります。
車道や縁石も同様に塗装します。
その上に土があり草が生えている場所をデザートイエローで塗っておきます。 この部分は草を植えるとほとんど見えなくなりますが草の根本の土を表現しています。
縁石の縁にも風で飛んできた土に草が生えていますのでここも塗装しておきます。
砂利のところは細かい砂を、土の部分にグリーンの濃淡のパウダーをまきます。
水で少し薄めた木工ボンドを筆で塗った上に、指先でパラパラと巻きます。 以前茶こしでやったのですが平坦になりすぎたので指先でやった方が自然です。
縁石の上には多めにまいて後で少し減らしていきます。
草と地面の間にアイボリーの色が見えているのがいいですね。
草の部分が暗くなっているので、ライトグリーンの塗料をカットした筆ではたくようにのせて明るくします。
縁石の余分な草はこの段階ではがしています。
全体が十分乾燥したら砂利やグリーンパウダーを固着させるために、水で2、3倍に薄めて中性洗剤を数滴垂らした水溶きボンドをスポイトで垂らしていきます。
中性洗剤を入れると表面張力が弱まってすーっと広がってなじみます。
ここで固めておかないと完成した後でパウダーや砂利が少し触ったり斜めにしただけでポロポロ落ちてきます。
ここまでの作業はイメージ図とだいたい合っています。
パウダーが固まったらその上に緑のライケンを乗せて草むらを表現します。
このサイズだとライケンの茎や荒目のところは合わないのでハサミで細かい部分をカットしてボンドで貼っていきます。
このライケンの上にも、固着と色があせるのを防ぐために水溶きボンドを乗せておきます。
ここまででジオラマのベース部分ができました。
砂利、土、草、草むらとまずまずの出来です。
縁石の高さの差や縁に草が生えているところもデフォルメして多めに再現しています。
車道に引かれた白線は、ネット見たこのかに太郎さんの前の道路の写真からそのかすれ具合を再現しています。
屋外用ジオラマのパーツを追加作成します。
建物左手奥にある、海を眺めてくつろげる椅子や長椅子、テーブルです。
左にあるのは一緒につくった寸胴鍋です。
建物右手には駐車禁止の標識を入れましたがそれだけではさみしいので電信柱もつくりました。
これらのパーツを設置しました。
電柱と標識はケースまで穴を開けて差し込んで接着しました。
電信柱の電線はあまり長くすると建物を取り替える時に引っかかりそうなのでこの長さにしました。
建物の店内パーツも接着して、上から俯瞰したところです。
現在、建物の周囲には燃料の薪として使用される木製の廃材が山積みになっていますが、開業当時はそんなことは無かったかなと考えて配置していません。
建物、ベースとジオラマができてきましたので背景となる海を印刷します。
実際に私が北海道に行って撮影した時の海と空の写真、それにかに太郎さんの裏に広がるテトラポットなどを配置して制作しました。 これをケースの内側に貼っておきます。
最後にご主人と奥様が並んで写っている写真を拝借してスタンドをつくり立っていただきまして、これで完成です。
こちらは現在の建物の様子になります。
入口のかにのオブジェが撤去され、外壁は白一色に塗装、ロゴがペイントされています。
こちら3時代を再現したそろぞれの建物です。
右手の建物は外壁を赤と青ではなく白一色にして、まだかにのオブジェのあった頃です。
完成まで2週間近くかかってしまいましたが、まずまずの出来栄えと自画自賛してます。
このジオラマをつくり始めた最初の時から、出来上がったらかに太郎さんに送って見ていただき、できればお店に飾っていただきたいと思っていました。
お店のご主人に直接ではなく、このジオラマの制作を進めている途中の段階から、Xで紹介してくださっていたご主人の息子さん(山下様)に送らせていただけることになりました。
建物、特に開業当時のものは屋根に看板が付いているので、段ボールおさえをつくって発送しました。
どうやら壊れずに無事に届いたようです。
うまくすれば2月の中旬にはかに太郎さんにお持ちいただき、店内に飾っていただけるとのことでした。
お店を訪れた方にご覧いただけるのが楽しみです。
かに太郎ジオラマの制作工程~ep.5ジオラマ、完成

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