ランドセルのリメイク、ミニチュアが完成しました【ホビクラ工房】

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【ホビクラ工房】として、姪から頼まれていたランドセルのミニチュア、リメイクが完成しました。
今までつくってきたミニチュア・ランドセルはどれもリメイクではなく牛革やコードバンなど新しい革をつかったものでした。

今回、注文を受けたのは実際に6年間つかっていたランドセルをリメイクするものです。
 
受け取ってはみたものの、素材は合皮、クラリーノです。
卒業から13年経ったということですからこれがつくられてから19年経過したことになります。
ランドセルのリメイクを専門に扱っている業者のサイトでは本革製であっても、卒業後せいぜい5、6年以内にお持ち込みくださいとなっています。 ましてやクラリーノだと10年以上経過した場合には表面にヒビ割れやはがれてくるので特殊な業者の方でないと受け付けてくれない所がほとんどです。
 
レザークラフトをはじめて16年以上で一応「ホビクラ工房」として各種クラフト系の注文を承っていますが、ランドセルのリメイクがはじめてなのではたしてうまくできるかちょっと心配でした。
 
それでも完成して姪に渡しましたのでまずは完成したものをご覧ください。

サイズは元の1/3、高さ12cm弱です。
できるだけ元の特徴的な部分を活かしたり表現したつもりです。
こちらがオリジナルの状態です。

ほかのランドセルと重ねて保管してあったようで「かぶせ」の左右が白くなっています。

キーホルダー等がついたままでした。



ここの金具はできるだけ再利用したいですね。

 
この写真では見た目的にとてもキレイで革が劣化しているようには見えません。
でも実際に解体をはじめてみたら、この先の作業が一気に不安になりました。
ミニチュアリメイクではこういう「ミミ」の部分の革もできるだけ活用するのですが表面がボロボロとくずれてきて再使用できません。

しかしなんといっても困ったのは、一番パーツ取りをする「かぶせ」部分が、少し曲げただけでヒビが入り表面がはがれてきます。
これでは型取りするパーツがあまり取れないですし、曲げて使う部分では大々的な補修が必要になります。

解体を続けました。
「背当て」部分をはがしています。

本体を解体します。 「マチ」との境にカッターを差し込んで縫い糸をカットしながらはがします。
解体しているとボロボロと革の粉がこぼれてきます。

底部の金具ですが全体をそのまま使うには大きすぎるので無理があります。
「錠前」は使用せずに、左右にある特徴的な「ダルマカン」だけはずして使います。 ここのかしめは長いのですが強度を保つために中に鉄芯が通っています。

大まかな部分の解体が終了しました。

 
ここで一度、紙で試作品をつくってサイズとデザインを検討します。
金具を再利用するので今までつくってきたミニ・ランドセルよりひとまわり大きくしてみました。
高さは12cm、元の1/3くらいにするつもりです。

ネットでランドセルのリメイクでミニチュア化を受注しているサイトで大きさを確認してみると、シンプルに仕上げたものだと割りと小型で、金具などを再利用してコバの縁処理をした精密なものだと割りと大きくなるようです。

はずした「ダルマカン」を使うとどうしても底の部分の大きさから、もうひと回り大きく必要があった。

でも今ある「かぶせ」からはあまり大きく型取りできないから妥協点を模索しました。

紙の試作品をバラして、解体した「かぶせ」の使える部分からどう型取りするか検討します。
「肩ベルト」パーツ一式や「ベロ」などもなんとか取れそうです。

この段階では「大マチ」も取るつもりでしたが、できれば今の「マチ」に付いているステッチを活かしたいのでここは使わないようしました。

「かぶせ」裏についていたじかんわりのポケットのメッシュカバーはそのまま活かします。

 
各パーツの加工に取りかかります。
「肩ベルト」は実際の白い裏側を活かしますが間にクッションをはさんで膨らませます。 元のクッションでは厚みがありすぎるので別のクッションを使いました。

周囲にステッチを施しますが、縫い目に針を通しただけで端のところから表面の革がはがれてきてしまいます。
年数の経過した合皮のランドセル・リメイクの受注を受けない理由はコレですね。

コバの処理とはがれてきた端の部分をカバーするために赤いちりめんを使って補修しながらパーツをつくっていきます。
左上の「かぶせ」にはオリジナルと同じステッチを入れ裏には時間割をつけました。
左下の「前段」には元の革を使い、名前ホルダーを追加しました。
まんなか上の「マチ」の部分はオリジナルのところから革をカットして使います。

底の部分には「ダルマカン」をビス止めして、錠前金具は新しいものを付けました。

背当て部分です。
オリジナルの革を使いますが元と同じ形にクッションをいれます。 ここのクッションは元のものを薄く漉いて形を合わせました。

上のところについていた金具は3Dプリンターで作成しています。

貼り合わせてからステッチを入れて、上に金具パーツを取付けました。

「かぶせ」裏にはオリジナルで使っていたメッシュカバーを小さくカットして、じかんわりは縮小コピーです。 裏地模様は元のままです。

「前段」も元の革からカットしてファスナーは短く加工しています。 名札穴を新しく開けてこちらも書いてあった名札を縮小コピーして再現しています。

ちょっと苦労したのがこの「前ひも(前締め)」です。曲げるとポロポロと崩れてくるので使えそうな部分をつなぎ合わせています。
「ナスカン」を留めている赤いプラパーツは裏から別のパーツで固定されていましたが厚みを抑えるために心棒を熱して潰して固定しました。

最後にこれらのパーツを縫い合わせていきます。
組み立てる順番をよく考えて組立てていかないと、後からカシメを打つのが場所的にむずかしくなります。
「マチ」と「前段」「背当て」を縫い合わせる前に底に「ダルマカン」や錠前を付けておかないとネジ止めができなくなってしまいます。
 
完成しました。
ランドセルを預かってから18日目、そのうち実際に作業した日数は6日間でした。
リメイク専門業者だとプレスで型抜きできる金型で一気に革をカットしてミシンで仕上げるので2日か3日で完成するのでしょうね。
私は型紙を起こしてカッターで革をカットしてすべて手縫いで仕上げるのでやはり日数がかかりました。
 
完成した作品ですが、「かぶせ」側はオリジナルと同じデザインでステッチを入れ、「差し込み(ベロ)」を固定するカシメはキラキラ光るオリジナルのものを使いたかったのですがこれも中に鉄芯が入っていてカシメのメスを使えなかったのでやむを得ず写真で撮ったものを貼ってあります。
ナスカンに下がっていたキーホルダーはそのまま付けました。

「背当て」や「肩ベルト」の周囲は革の剥げているのが目立ったのでちりめんを使い補修しています。 本来はここもオリジナルの革を使って縫って仕上げたかったのですが無理でした。
肩ベルトにあった金具にもキーホルダーがありました。

「背当て」部分もまあなんとか元の姿を再現できました。

「マチ」のサイド部分も元の革を使っていますのでステッチ模様を残せました。

底の「ダルマカン」と錠前です。
「下ひも」の留めの部分だけは別の赤い本革を使っています。


ランドセルのサイズに合わせて学習帳のノートを2冊いれておきました。
(表紙の写真は私が撮影した、北海道能取岬とアニメ「あの花」にも登場した秩父高原牧場のポピー畑です)

こくごとさんすうでノートの開き方を逆にしてあります。

展示しておくためのスタンドも3Dプリンターで作成しました。

こんな感じで下げて飾っておけます。

過去につくってきたオリジナルのミニ・ランドセルと並べてみました。
サイズはひと回り大きくなっています。

いろいろな金具を再利用していますのでマチが厚くなっています。

「ダルマカン」の存在が主張しています。

開いた場面です。

 
今回、姪から頼まれて「ホビクラ工房」としてはじめてホンモノのランドセルのリメイク、ミニチュア化をやってみました。
過去にいくつもオリジナル・ミニ・ランドセルをつくってきた経験がかなり活かせたと思います。
解体がけっこう手こずるかなと心配しましたがこれはそれほど大変ではなくカッター一つで分解できました。
型紙起こしも前のモノがあったのでまったく一からというほどではないのでよかったです。
でも一番困ったのは合皮の劣化ですね。
卒業まもない時期に依頼されていればもっとキレイに仕上げられたと思います。
でも月日が流れての思い出も含めて残せたのかなとも思っています。
姪にこのミニ・ランドセルを送りましたが、けっこう気に入ってくれたみたいでよかったです。
いただいた感想は、
 「そのまんますぎてびっくりした!!」
 「細かいところも中身も全部綺麗に残してくれてありがとう。 大切にします」
リメイク作業、できてよかったです!

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