首都圏に一番近い航空自衛隊の埼玉県入間基地(名称は「入間」基地ですが住所は「埼玉県狭山市稲荷山」だそうです)
ここでは毎年、一般人が基地の内部に入れるイベントがいろいろなイベントが開催されています。
11月3日にブルーインパルスをはじめ、主力機種が飛行・展示される「入間航空祭」はもっとも有名ですが、それ以外にも地元住民がメインの7月末の「盆踊りと花火の夕べ」があります。
そしてもう一つ、これも航空ファンの方にとっては年間の一大イベントのひとつとなっている(そうなんでしょうか?笑;)、実際に飛行機が飛び立ち・着陸する滑走路を自分の足で歩ける「ランウェイウォーク」があります。
入間基地の滑走路の長さは約2キロ、これを端から端までぐるっと廻ってくるので約4キロのウォーキングコースになります。
開催は今年で8年目になりますが、7年目の昨年は東日本大震災の災害救助のために自衛隊の隊員の方々は現地で救助活動にあたられていたので開催が中止されました。
今年は、4月21日の土曜日に開催されるはこびとなりました。
このランウェイウォークに参加出来るのは毎回1,000人程度(実際にはもう少し多いようですが)程度の限定であり、参加資格を得るには、「抽選」という難関(?)があります。
毎年2月後半になると入間基地のホームページに開催のお知らせが掲載されます。
そこに書かれているように往復ハガキに参加希望者全員の住所・氏名・年齢等を書いて送ります。
今年は、応募総数1,085通、応募人数3,075人を対象に抽選がなされたようです。
わがやでも過去に何度か応募して、「当選」「落選」の両方を経験しています。
今年はめでたく「当選」出来ましたので、妻と二人春の滑走路を歩いてきました。
あいにく快晴とはいきませんでしたが、雨に降られる事もなく一日中曇り空、気温も11度から13度程度と少し寒くはありましたが、歩いているうちに体も温まってきました。
開門は9時から10時半ですが、9時40分頃車で正面ゲートから入ります。
今年から受付の方法が少し変わり、まず入り口近くの駐車場に一旦クルマを停め、当選ハガキを持って受付へ行きます。
ここでハガキに書かれた番号(これも今年からです)を元に台帳で名前をチェックし、駐車場の受付票をもらいます。
その後、クルマを芝生の駐車場に停め、バスで会場に移動します。
バスの中では隊員の方からランウェイウォーキングの注意事項を言われます。
「FOD=フォーリン・オブジェクト・ダメージ」という滑走路内に落とした異物をジェットエンジンが吸い込んでトラブルを起こさないよう、バッジやピン、アクセサリーの着用が制限される事などを聞きます。
一生懸命説明してくれた隊員の方には申し訳ないのですが、どうしてもランウェイウォークが「ラーメンウォーク」に聞こえてしまい、笑いをこらえるのに必死でした。
滑走路手前でバスを降りると、そこではお昼に振舞われるイーグルカレー(カレーライス)の仕込み中でした。
ウォーキング中に具合が悪くなった方ように、救急車まで待機して準備万端です。
ここで第二受付をしてハガキを渡して入場の札(四色ボールペン付き)をもらいます。
ランウェイウォークは11時からなのでそれまで展示や売店を見て回ります。
最初に目に入ってきたのは、昨年の東日本大震災での自衛隊の方の活動報告でした。
その横には何店かの売店が出ていました。
キャップやウェア、バッジやワッペン、
自衛隊土産のおかしやミリ飯なんかもあります。
私はブルーインパルスのトレーナーを購入しました。
その後は車両展示です。
偵察車両です。
妻は隊員の方にいろいろ聞いていましたが、みなさんとても親切に答えてくれていました。
内部の様子や、車両上部ハッチからの機関銃の操作方法もわかりやすく解説してくれました。
これはその車両のボディ下側です。
さすがに乗用車と違って鉄板で覆われていてダメージを受けないようにガードされていました。
こちらは車両運搬車
そして高圧放水車です。
この車両は後で実際に放水をしていました。
内部の運転席に乗り込む事も出来ました。
放水車の横では、防火服の着用体験が出来ました。
思ったよりは重くはなかったですが、小さめのサイズで私にはウエスト周りがちょっと。。でした。
さらに離れたところには航空機の地上展示があります。
秋に行われる航空祭と違って飛行展示がないですが、人数制限があるのでゆっくりと内部を見学する事が出来ます。
これは輸送ヘリコプターのCH-47Jです。
内部に先ほどの偵察車を載せる事も可能です。
内部はかなりうるさいそうで、耳栓やヘルメットが必需品だそうです。
これは救命ボートです。
海に投げ入れると瞬時ぬ膨らむそうです。
操縦席も見る事が出来ます。
こちらは、ブルーインパルスでお馴染みのT-4中等練習機です。
前側コックピットの様子です。
入間基地で一番有名(?)な中型ジェット輸送機C-1です。
さきほどのヘリコプターよりさらに内部は広くなっています。
滑走路には万が一の火災に備えて消火器が置かれていました。
飛行点検機U-125です。
一通り展示を見学した頃、歩哨犬の訓練展示を見に行きました。
犯人役の人を見つけたり、取り残された被災者を探す訓練風景を実演していました。
そろそろ滑走路に戻ります。
カレーの準備も整っているようです。
11時10分前、そろそろランウェイウォークの始まりなので、一斉に滑走路前方に向かって移動します。
「ランウェイウォーク」と書かれた横断幕を持った隊員の後ろに並びます。
スタート地点の目印はこの飛行船のバルーンです。
開会宣言。
航空祭よりはるかに人数が少ないとはいえ、1000名を越す参加はさすがに大勢です。
スタートのピストルの合図、高圧放水車の実演、鼓笛隊のパレードに続き、いよいよスタートです。
まずは北方面に進み、そこから滑走路に進入します。
今回歩いたコースです。
路面には無数のタイヤの跡が付いています。
今回、ウチも先頭集団で行きました。
前回までは、後方、中ほどでしたが先頭を歩くのもいいもんです。
でも周りやお互いの写真を撮りながらだとすぐ遅れてしまいます。
ここは、さきほどの高圧放水車の水のあとです。
水はけはあまりよくないようですね。
向こうに見えるのは最近なにかと話題の迎撃用ミサイルのようです。
途中、何箇所かこういう「エスケープゾーン」があります。
全長2km、往復で4kmの道のりを歩くのが大変な高齢者や幼児、体調を崩した方ようのショートカット用の道です。
でも先頭集団を元気に歩く人たちの中には、ここを利用する人はいませんでした。
入間基地は、その横を西武鉄道が通っています。
クルマのかげに黄色い車両が見えます。
誘導灯のずっと先まで、オレンジのジャンパーを着た隊員の方が立っています。
やっと折り返し地点まで着ました。
後ろはずーーっと長い行列です。
高台の上には、偵察車が停まっていました。
工事用の車両も同じ色なんですね。
そろそろショートカットしてくる人も出てきたようです。
ようやくスタートした滑走の北の方が見えてきました。
格納庫の中にはT-4が数機、納まっていました。
かつては日本の大空を飛び回っていた国産飛行機のYS-11も民間機では見かけなくなりました。
一番前を歩いていた少年達は、滑走路の終わりのところでダッシュしてカレーに走っていきました。
お待ちかね、お昼のイーグルカレーです。
前回まではお代わり自由でしたが、今回はしきりに「数に限りがあるのでお一人様一杯限りです」と何度もアナウンスしていました。
今回は曇り空でしたが、屋外にテーブルで食事が出来ました。
以前、雨の時は体育館の床に座って食べましたがやっぱり歩いてきた外で食べるカレーは格別です。
食事場所の近くで、獅子舞をやっていました。
自衛隊のマスコットジャラクターの方と記念撮影しました。
入場票に書かれている番号で抽選が行われていましたが、残念ながらハズレでした。
最後に簡単なアンケートに答えて、クリアファイルをもらいました。
帰りもまたバスに乗せてもらい、自分の車を停めた正門前の芝生の駐車場に戻ってきました。
帰りは、歩いている時もバスから見えた隊員の方も、みんな優しそうに手をふってくれました。
こちらではバスが通りすぎる時、歩哨犬の実演をされていた方がこちらを見て、椅子から立ち上がって手を振って見送っていただいたのがとても好感度アップでした。
降りる時、妻も隊員の方に「ありがとうございました。楽しかったです」と言ったのに満面の笑みで答えてくれました。
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