革の手縫い用レーシングポニーの自作・作り方~図面へリンクあり

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工具セットを買ってからなぜかそれだけで満足してしまって実際の作品づくりにはちっとも着手していませんでした。
これではイカン!と一念発起。
本格的にレザークラフトを始めるつもりで、さてさてほかの人はどんな風に作っているのか調べようと思っていろんな人のブログを見ていたらみなさん手縫いをする時に「レーシングポニー」という道具を使っているようです。
革の手縫いは素材の革を体の正面に持ってきて2本の糸で両手を使って左右に引っ張りながら締め上げていきます。
その時に、革の作品を挟んで自立させ両手で持たないで済むようにする道具です。
製品として販売されているものもあり3千円台から3万円台までいろいろです。
 
でも構造的には単純なものなので自作する事にしました。
こちらが完成した私のレーシングポニーです。
ステーの根元の所で前後に傾けたり、左右に向きを変える事も出来ます。
腕の部分とベース板はビスで軽く固定するだけにして、首の部分が回るようにしてあります。
こうすると返し縫いの時、楽かなと思っています。
racingpony00.jpg
 

作業手順

それでは製作工程を紹介します。
最近でこそ同じように「レーシングポニーの作り方」を紹介するサイトがかなり増えてきましたが、これを作った頃は参考になるサイトはそんなに多くはありませんでした。
それにほかの方が自作されて紹介されているものの中には加工が難しそうで初心者の方には敷居が高そうなものもありました。
かっこいいレーシングポニーを作る事が目的ではなくて、レザークラフトが便利に出来ればいいだけなので、作り方は簡単な方がいいですよね。
私のは出来るだけ少ない部品と、木材カットなどものこぎりだけで出来る直線カットとして難しい加工は省き簡単にできるもの、そして何より「出来るだけ安く」( ← ココ大事です!)を目指したつもりです。
 
材料は木材と留める金具それに保護用の塗料(ニス)です。
腕の部分の木材はホームセンターの端材として売られていたモノで10円×2本、ベースになる台の部分は家にあった、昔スノコをばらした時のもの。
固定用のボルト(これは1本単位で買ったもので150円くらい)
(あとでボルトを手で締めやすいように「ノブスター」というのを追加購入(100円くらい)しました)
一番高かったのは塗装に使った水性ニス(577円)です(笑;
機能に関係ないニスを除けば、総額300円もしていません。
racingpony01.jpg
サイズについては、椅子に座って足の間に立てて、縫いたい革に対して腕の高さが90度くらいに曲がるのにちょうどいいところで決めました。
と、カッコよくいいましたが、実は端材の長さに適当に合わせただけです。
ただ、この高さはかなり重要なようで、あまり高すぎると長時間の作業で腕が疲れてくるようです。
構造は左右の垂直に立つ腕の上部を角材の角が邪魔にならないように丸くします。
挟む部分だけ、少し内側にはみ出させ、ここに作品の革に傷つけないように、革を貼っておきます。
ここも、「革」「フェルト」「コルク」などどれが一番使いやすいのか、試してみたいですね。
あとで貼り替えが出来るように両面テープで留めておきます。
左右の腕の間には、スペースの木材を挟み、腕の中ほどに穴を開けてボルトを通し、蝶ネジで手で締められるようにしました。
ベースとの接続部分も当初案(下写真)ではただ回転するだけの予定でした。
racingpony05.jpg
しかしレザークラフトをやっていてレーシングポニーを自作したいろんな人のブログを見ている内に前後に傾ける事が出来た方が便利そうだったので急遽、設計変更です。
racingpony06.jpg
ボルトの頭は腕の中に六角形の穴を彫刻刀で削り、空回りしないようにしてあります。
racingpony02.jpg
もしナット用に六角形の穴を掘るのが面倒なら、少し大きめの丸い穴を開けてコレ「ツメ付きナット」を打ち込む方法もあります。


全体の加工が済んだら、動きを確認した後で一度バラバラにして、水性ニスで塗装しておきます。
生成のままで、木材の色が変化していくのを楽しむのいいですが、塗装しないと木部が柔らかいので傷ついたり、汚れすぎるので塗装仕上げにしました。
racingpony03.jpg
racingpony04.jpg
 
最後に組立てて完成です。
といってもまだ実際に革を縫っていないので、使い勝手についてはレポート出来ません。
それについては今後のブログの中で紹介していこうと思います。
しかし、レザークラフトをやりたかったのに、最初に「木工」をやる羽目になるとは思ってもみませんでした。
 
【追記】
 このレーシングポニーの革を挟む部分を少し大きくなるように改良しました。
 あわせてご質問をいただいた大きさ(各部のサイズ)を、追記しました。
 私のレーシングポニーの図面を載せた「レーシングポニーの一部改良と各サイズを表示(図面)」の記事は、コチラ です。
それと、気のせいか最近レーシングポニーを作られた方のネット記事を見るとノブスターを使っている方が多いような。。。
私の記事も参考にされているのかな、なんてうぬぼれてますね。
実際に私がこのレーシングポニーの製作記事を書く以前のネットではノブスターを使ったレーシングポニーの記事は見あたりませんね。
でもこの記事以降は多くの方がノブスターを使っているようです。
 

ノブスターに糸が絡まないように改良

作業
多くの方から「ノブスターで調整出来るのは便利だけど糸が引っかかるのが困る」という意見をいただきました。
そこで対策として、端切れの革でカバーしてみました。
ノブスターが覆い隠せるサイズの革(私の場合は5cm×13cm)の革の上部を両面テープでレーシングポニーの腕に貼って、下のところは太めの輪ゴムで閉じておきます。

 
めくるとこんな感じです。

 
ノブスターを回して作品を固定するときはちょっと面倒ですが、頻繁に回すものでもないし何より糸が絡まない方が便利なのでよしとしましょう。

 
こんな一手間ですが、もっと早くやっておけば良かったです。
 ※ レザークラフトをやるなら手縫いセットとレーシングポニーは必需品です。

コメント

  1. まる さんへ、
    こんにちは!
    レーシングポニーを作ってもらったんですね。
    レザークラフトをやっていると、
    どうしても手縫いの時に作品を固定しながら出来た方が便利なので
    レーシングポニーが欲しくなりますよね。

    糸のひっかかりの件は、私もそう思いますし、
    他の方から大勢感想をいただいていたので、
    今回新たに改善してみました。
    本文に追加しておいたので参考にしてみてください。

  2. 欲しかったポニーでした。工作好きの知人に作っていただきました。
    趣味でレザーを縫っています。やっぱり糸がひっかかりますが
    問題ではありません。嬉しいです。

  3. waiwaiさんへ、
    はい、いよいよこっちにも乗り出してみます。
    少しだけやってみましたが、
    かなり面白そうでした。
    近日中にブログで紹介しますね。

  4. そちら方面にも、手を出されるのですか?

  5. nakaさんへ、
    皆さんのブログや記事を参考にさせていただきました。
    前後の傾きの機構を後から考えて追加してみました。
    やはり糸が引っ掛かるんですね。
    私の場合はどうなのか、
    少し試してから修正を加えてみたいと思います。

    エルグさんへ、
    はい、そのとおりです。
    これを作るのが目的じゃあないですからね。
    レザークラフトの作品で何が出来るか、楽しみです。
    ウチからのツーリングコースでは、
    どうしても北関東地方が多いので
    山沿いは凍結が心配です。
    今年もきっと、ペアライド中心で走っていることでしょう。

    Pさんへ、
    いえいえ、ただの工作好きです。
    クラフトは30年前からいろんなモノに手を付けてました。
    レーシングポニー、端材でも出来ると思いますよ。
    是非がんばってみてくださいね。

  6. こんにちは!
    なんでも作れるんですね~

    私は作ろうかと思ったんですが、苦手で(泣)
    悪戦苦闘しながら、レーシングポニーなしで、頑張ってます・・・

    どんなんを買ったらいいのかわかったので、早速自分で作ってみます!
    できるかな~・・・

    頑張ってみます!

  7. やっぱり、この前の端材はレーシングポニーでしたね。
    私も作ろうと思っているのですが、未だに実行してません。
    レーシングポニー作っても、それを使って何か作るまで間が空きそうです。

    先日の初タンデム、羨ましく見せていただきました。
    私の住む土地は道路の雪は無いですが、
    道路わきには雪があるところが多いですし、
    少し気温が下がれば降雪、凍結とバイクには厳しいところです。
    休日と天気が噛み合わず、今年初乗りがまだ出来ていません。
    いつになったら乗れる事やら。。。

    レーシングポニーで何作るか楽しみにしてます。

  8. やっぱりメカ好きおじさんは完璧です。
    頭が下がりました。
    自分のと比較しても機能がぜんぜん違います、
    まさかずさんの言われるように糸が作業工程中に引っかかって
    困ります。
    回転と前傾機能はなるほどと思いました。
    レーシングポニーの新機能製品ですよ。(^_^)v

  9. まさかずさんへ、
    まだ一度も手縫いで革を縫った事が無いのに、
    先にこのレーシングポニーを作ってしまいました。
    だから実際の使い勝手や
    「糸がひっかかる」というのがどういうものか、
    今ひとつピンと来ていません(笑;
    きっと実践してみればいろんな問題が出てくるのかもしれませんね。
    そうしたら少しずつ改良してみようと思っています。
    やっぱり、台座は小さいですかね?
    自分でもこの部分はちょっとヤワかなと心配しています。
    回転機構がいらなければ、もっと厚い台座にして
    ボルトでしっかり固定した方がいいでしょうか。

  10. 完璧ですね!!!

    すばらしい~
    僕のは余ってた廃材で作りましたよ(^^;

    真ん中の絞るネジ
    ここに糸が引っかかるんです
    でもこの小ささならそんなに問題ないと思いますよ
    僕のは長いんで毎回引っかかり苛立ちます・・・

    少し心配なのは
    台座が小さいんでガッチリ固定できる方法があるといいかも
    結構な力で引っ張るんでね

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