わが家の鍵は以前から同じものを使っていたので古いタイプのものです。
だいぶ以前、2000年ころにピッキングが話題となり簡単に解除出来る方法が広く知れ渡るようになってしまいました。
それまで広く普及していた「ディスクシリンダー錠」と言われる、鍵穴が縦に「く」の字になっているものです。
鍵も溝が一つで両側に切り欠きがあるタイプです。
ウチの玄関についている鍵もまさにそのディスクシリンダー錠でした。
玄関ドアには同じ一つの鍵で戸締まりしているシリンダー鍵が二箇所ついているタイプです。
今さら感満載ですが、最近になって不安が大きくなってので鍵を交換することにしました。
いろいろ調べてみると、リフォーム業者やホームセンターなどに依頼すると鍵の部品代のほかに出張費、施工費などで二箇所の鍵交換だけで3万円から5万円もするようです。
こういうものは自分の家に合う鍵さえ手に入れば誰でも交換作業は出来ると思い、探すことにしました。
まずはドアに付いている鍵に刻印されている記号をチェックします。
外側から見た鍵を差し込むシリンダー錠のところには「MIWA」とあるので「美和ロック製」であることがわかります。
(差し込む鍵にも「MIWA」って刻印ありますね)
ドアの横のところに出ている鍵で出し入れするかんぬきのような出っ張り(デッドボルト)があるところのプレート(フロントと言います)には上下二箇所にそれぞれ「LE-01」「TE-01」と刻印されています。
次に今ドアに付いている鍵を一旦外してみます。
ドアの内側のプレートを留めている二箇所のビスを外します。
メイン錠、補助錠の上下ともプレートを外すと、ドアの外側にあるカバー全体が外れます。
ドアの内側にセットされている鍵のユニット=シリンダー錠の二箇所のビスも外します。
そうするとシリンダー錠部分がドア外側から外れます。
この部分だけを交換することになるのでサイズを測っておきます。
外に出ている細い方が直径28mm、ネジが切ってある室内側が34mm、全体の長さは34mmでした。
ネットでこれに合う交換する鍵を探します。
「MIWA」「LE-01」「TE-01」とキーワードを入れるといくつか対応する鍵がヒットしました。
鍵の種類もいろいろあって、溝と切り欠きタイプの「U9」、小さな穴の開いている「ディンプル」タイプなどさまざまです。
ここはやはり今どきの鍵の主流の「ディンプル」錠を選びました。
メーカーも今の鍵の美和ロックに互換性があって交換出来るもので、精密機械で有名なスイスに本社のある「KABA カバスター」製の日本カバのものを選びました。
最近の鍵はどれもピッキング対策には強くなっていて表示方法も2003年の「特殊解除用具の所持の禁止等に関する法律」に基づき2004年からは「指定建物錠」に防犯性能の表示がなされるようになりました。
今回購入したものも「耐ピッキング性能」は三段階(5分未満、5分以上、10分以上)あるうちの最大に対応したものです。
サイズについては円筒の径の太さは今のものと同じですが、全長だけは今の34mmから36mmと2mmだけ長くなっているのが気がかりです。
ここのサイズが34mmというシリンダーは少ないようでなかなか見つかりませんでした。
今付いている玄関鍵が主錠と補助錠の二個なので、購入したものを同型で同一鍵で解施錠出来る二個セットのものを選びました。
ここで交換用のシリンダー錠を選ぶ際に注意した点があります。
現在販売されている錠のほとんどは後ろ側(室内側)に小さく平らプレート(板)が出ていてこれでサムターンを回しデッドボルト(かんぬき)を抜き差しします。
でもわが家でも使っていた昔のタイプのものは、後ろ側に太めの丸い棒が出ているだけと形状が異なっています。
これは鍵を差し込んだ時にこの棒の先端から小さな突起が出て、ここでサムターンを回す構造になっています。
この飛び出る部分が「タテ位置」か「ヨコ位置」かで選ぶ鍵やオプションの必要性が異なってきます。
メーカーによって、この部分がタテからヨコにオプション無しで変更出来るものや別売りパーツの「テールピース」というものが必要になるものなどさまざまです。
自宅についている錠のカム部分がタテ回しかヨコ回しかによって異なりますので注意が必要です。
今回購入したカバ製のものは、オプションなしでネジを外してシリンダー錠部分だけ取り出し、テールピースを留めているCリングを外せば自分でタテ・ヨコを変更する事が出来るタイプでした。
色はシルバー、ゴールド、ブロンズと三色ありましたが、玄関ドアのハンドルに合わせてブロンズ色を選びました。
ネットで注文して翌日には配送されてきました。
二個セットでそれぞれに三個ずつ鍵が付いていますので合計六個の鍵が送られてきました。
それでは交換方法の説明です。
ドアが半開きの状態で作業が出来るように下の部分に木片をはさんでおきます。
使う工具はマイナスドライバー1本だけです。
室内側からサムターンのプレートを固定しているビス2本を外します。
最初に補助錠側を外し、次にハンドルレバーと一体になっている主錠の方を外します。
これが外れると屋外側のハンドルレバーも外れますので、落ちないように手で押さえながら作業します。
室内側から見るとシリンダー錠を固定しているビスが2本見えますのでこれを外します。
すると屋外側からシリンダー錠ユニットが外れます。
シリンダー錠が外したのでせっかくですから鍵ケースを取り出して掃除をして内部をグリースアップしておきます。
交換する新しいシリンダー錠を用意します。
上に書いた「タテ・ヨコ」のテールピースの部分ですが今回のわがやの場合に変更せずに送られてきたままで問題なく作動できました。
取り付けする時は外側にある大きなネジ部のところを屋外側に回してゆるめておきます。
新しいシリンダー錠を屋外側からはめて、室内側から2本のビスで固定します。
その後でさきほどゆるめておいた丸いプレート部分をドアに当たるところまで回して固定します。
工具は使わず手で回るだけで十分でしょう。
主錠、補助錠ともに交換したら、屋外側にハンドル部のプレートを当てて室内側のサムターンプレートを2本のビスで固定すれば完了です。
取り付けてみるとやはり全長が2mm長くなっていたせいか少しだけシリンダー錠が屋外側に飛び出ていますが気になるほどではないでしょう。
屋外側から鍵を回してみてちゃんと施錠できて鍵が抜けるか、解錠できるかを確かめます。
さきほどのテールピースが間違っていた場合、取り付けが出来てしまっても鍵を回してみると解錠された位置でしか鍵が抜けなくなってしまっている症状になります。
こんな時にはテールピースの向きを変更することになります。
またたまに室内側からサムターンを回して施錠しようとすると固くなっている事があります。
この場合は、「取り付けたシリンダー錠を留めている2本のビスの微妙な位置と締め込み具合」「シリンダー錠の外側の丸いプレートのねじ込み具合」「サムターンプレートの微妙な位置と締め込み具合」を適度に調整すると直ります。
思った以上に作業は簡単に出来てしまいました。
一番手間取ったのはネットで交換するのに適合したシリンダー錠を探すことでした。
最後に参考までにKABA製シリンダー錠のテールピースの向きの変更方法を掲載しておきます。
まず一番の注意点は「シリンダー錠に鍵を差し込んだままで、向きの変更作業をしないこと!」です。
刺したままだと分解した時に内部の細かいパーツが出てきてしまい使用不能になってしまいます。
作業はまずシリンダー錠から内部のユニットだけ外すところから始まります。
外側の丸いネジプレートをゆるめて、ネジ部の途中にあるプラスネジの頭が見えるようにします。
このネジを外しますが、穴も細いのでドライバーもそれにあった細いものを使用します。
ネジが外れると銀色のシリンダーユニットだけが取り出せます。
後ろ側のテールピースを留めているCリングを、小さなマイナスドライバーでゆっくりこじって外します。
外れた瞬間に飛んでいってしまいがちなので飛ばないように慎重に作業します。
Cリングが外れたらテールピースの向きを変えて差し込み(というかグラグラしているので溝に乗せるだけ)、再びCリングで固定します。
シリンダーユニットをシリンダーに差し込み丸穴からビスで固定すれば完了です。
それほどむずかしい作業ではなく向きを変えられるのは便利ですね。
メーカーによってはオプションの別パーツの購入が必要(1個1500円くらい)なものもありました。
これでピッキングに強い鍵に交換できましたので安心です。
というよりよくぞ今まで泥棒に侵入されなかったと運の良さに感謝です。
次回は、せっかく新しい鍵に換えたので古くなってみすぼらしくなっている玄関ドアのハンドルをDIYで塗装し直してキレイにしてみましょう。
p.s. こういうハウツーネタを書くと、またイジワル質問コメントが来ちゃうんでしょうかね(笑;
コメント
ツバキッキ さんへ、
マンションなどの賃貸住宅に付いている鍵は、
前の住人がスペアキーなどを持っている可能性もあるので不安ですね。
ピッキングが話題になったのは今から16年も前なのに
わがやでもようやく交換した次第です。
今までドロボーに入られなくて良かった!
家のマンションの玄関の鍵は引っ越してきた当時、ピッキングされやすいと言うGOALというメーカーの最悪のものが付いていましたので、アルファと言うメーカーのピッキングに強いシリンダーに交換して同メーカーの補助錠も取付けて両方とも同じ鍵で開け閉めできるようにしてもらい、ワンドアツーロックにしました。
ジン さんへ、
いえいえ、これくらいの交換作業なので
自分で出来る事はやりたいだけです。
今回は写真を撮りながらだったり、
後ろのパーツの向きを交換したりだったので
結構時間が掛かりましたが、
シリンダー錠の交換だけだったら
5分程度で出来ちゃったと思います。
実はこの後の「ドアハンドル塗装作業」は
ほぼ一日作業だったのでずっとドアが半ドアのままでした。
ほんとにメカ好きおじさんは手先が器用ですね^^
この作業は防犯上、宵越しの作業ができませんね(笑
1日で絶対終わらせないと。