原付バイクで野宿旅のススメ ~バイク、装備編~

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平年より12日も早く、関東甲信越地方も梅雨入りしました。

さすがにこれだけ雨が降っていると、ツーリングに出かける気も失せてしまいます。

実際に乗れない分、それでもバイクの事についてのブログを書いてみます。

 

以前にも少しだけ、過去に乗っていた原付で野宿ツーリングをした記事を書きましたが、前回(3年前)の記事はずいぶん簡単に書いてしまったので、ここでもう一度まとめておこうと思います。

私も年取って、当時の記憶もだいぶ忘れかけてきているので自分のための備忘録という意味でも出来るだけ記録しておこうと思います。

そしてもしこれを読んで、若い方がこれから原付やバイクに乗って「よし、自分も野宿ツーリングをしたやるぞ!」と思ってくれればとてもうれしいですね。

 

来月は7月、梅雨が明ければ夏休みです。

学生の身分なら一番長期の休みも取れ、ロングの野宿ツーリングが可能な時期がやってきます。

私も何度か野宿の長期ツーリングに出たのも、夏休みでした。

 

いつもの事ですが、なんだか長くなりそうなので何回かに分けて書いてみます。

今回は、まずは、【ツーリング用原付バイク】と【装備】について書いてみます。

 

今、私が乗っているバイクはブログタイトルの写真にあるハーレーです。

2008年式FLSTC、ヘリテイジ・ソフテイル・クラシックが今の愛車です。

このバイクに乗ってほぼ毎週に近いくらいツーリングに行っています。

年間で50回を越えて出かけ、しかもその7割以上はペアライド(ハーレーで二人乗りするタンデム走行のことをこう呼びます)です。

二十歳の時に原付免許を取って、翌年に中型自動二輪免許を取得、ずっと中型バイクばかり乗っていましたが、50歳の時に「人生、あと何年バイクに乗っていられるだろう? 今乗りたいバイクに乗って、行きたい所にいかなければ、もっと年取ってからでは出来なくなって後悔する事になる」と思い、初めていったお店でハーレーをその日の内に衝動買い!

それから免許を取得するという暴挙に出ました。

 

ハーレーで長距離ツーリング、それもタンデムメインで考えればヤッコカウルの威風堂々としたスタイルのツーリングファミリーの車種が一番の候補となります。

でも、今の体力とこれから先あと何年か乗る自分の体力を考えました。

結局、ウルトラより車重が軽い(それでも340kgありますが)、ソフテイルファミリー系の中で、ツーリングに適した今の愛車、FLSTCを選びました。

ハーレーに乗り出してしばらくした頃、正直言って「やっぱりウルトラに乗りたいな」と気持ちが揺れた事もありましたが、ペアライドでいろんな所にツーリングに出かける今の私のバイクスタイルには、このハーレーの選択が間違いなかったと納得しています。

今はもう乗り換える事は考えていません。

話が脱線しましたが、私が最初にツーリングや野宿旅に出たのは、今のバイクとは対極にあるような、50ccの小さな小さな原付バイクでした。

昔、若い頃は、オンロード車やオフロード車、レーサーレプリカなどにも乗って、日本中野宿で走り回っていました。

 

【ツーリング用原付バイク】

最初にツーリングに出かけたのはホンダのギア付50cc原付、CB50jx-1、1978年(昭和53年)今から33年も前のことでした。

本屋で「原付免許を取ろう!」という簡単な教本を買ってきて読んだだけで、東京・鮫津の運転免許試験場でペーパーテストだけで、人生初の運転免許を取得しました。

 

免許が取れたら次はバイクを手に入れる段階です。

免許を取った1978年当時、今とは違ってバイク市場にはギア付の原付スポーツバイクは、各社から目移りするくらい色んな種類が発売されていました。

そんな中、私には「バイクはホンダ」みたいな漠然としたイメージがあって、最初に買ったのはホンダの50ccです。

 

初めてのバイクは、それでもバイクらしい格好で、ギア付の方がいいかなと思い、ホンダ・ベンリー50、CB50jx-1です。

(ホンダ・ベンリーって、「本田」さんが作った「便利」なバイクってそのままのネーミングですね)

 

このバイクで近所や買い物、通学に使っているだけでなく、奥多摩有料道路や箱根、千葉などの100~200kmくらいの日帰りツーリングにうちに、当時読んでいたバイク雑誌に載っていた「泊まりがけツーリング」に出てみたくなりました。

「旅」というものを意識し始めました。

 

イメージとしては、ザックのバッグに荷物を放り込み、バイクの後ろに括り付けて気ままに走って、適当に野宿する、そんなものでした。

当時、テントでのキャンプというのは意識の中にありませんでした。

 

もともとずっと子供の頃、父親とその友人に連れられて二三度テントでキャンプした事はありました。

当時は、黄色い三角テントで、今よりずっとかさばって重くて、その割に狭いものでした。

 

【装 備】

そもそもバイクには自動車ほど荷物は積めませんし、ましてや小さな原付ともなればかなり厳しい状況です。

テント泊にしなくて寝袋だけの野宿にした理由の一つは、積載する荷物を少しでも減らしたいからです。

 

それでもバッグ等を工夫すればかなり収容スペースを確保出来ます。

実際に私が東北一周野宿ツーリングした時の状況です。

 

【タンクバッグ】
言わずと知れたコロナのタンクバッグです。

カーキ色の布製で、雨の時用のビニール袋が付属しています。

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■全国地図

背のポケットには二つ折りにした全国地図を入れておき、走りながらチェックします。

この頃は今のようにバイクツーリング用の地図などというものは無かったので、自動車用のドライブマップをそのまま使っています。

 

行き先決めるナビの役目は、この全国地図とヘッドライトケース上に付けた自動車用の方位磁石だけが便りでした。

大体の方角は、昼間晴れていれば太陽の位置で東西南北はわかりました。

 

■コインクリップ

そういえばハンドルのところにコインホルダーを付けてましたね。

ETCの無い時代(まぁあっても50ccですから高速道路には乗れませんけどね)、有料道路を通るたびに必要な小銭を取り出しやすくするために、バイク用のコインホルダーが売られていました。

コインホルダーの下はクリップになっていて有料道路のチケットが挟めるようになっていました。

このクリップ、それほど強くなかったので風が強いときに走るとレシートが飛んでいってしまうことがありました。

一般道のレシートは無くなっても困りませんが、高速のチケットだったらヤバイ事になりますね。

今でもバイク用品店にいくとほぼ同じような形の商品が売られていますね。

 

バッグの中にはその他の貴重品として、

 

■財布

免許と現金は必須です。

学生の身でしたので、クレジットカードなんぞは持っていません。

この時は2週間ツーリングですべての費用が2、3万円だったような記憶があります。

燃費がいい原付と、宿代の掛からない野宿のお陰です。

 

■カメラ

当然フルポートのフィルムカメラです。

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フィルムだけかなり用意しておきました。

当時、デジカメとかGPSロガーとかがあったら、写真や動画、走行ルートなんかももっと記録出来たのに残念です。

 

■薬と湿布薬

ツーリング先で病気やケガになると最悪です。

特に腹を壊すと大変なので自分にあった薬を持って出かけました。

今のようにドラッグストアが無いのでいざという時用に防水用の袋にいれておきます。

当時はジップロックのような密着出来る袋が無かったので小さなタッパーウェアの袋に入れていたような気がします。

あと必要なのが「湿布薬」ですね。

バイクに乗っていると立ちゴケ、転倒、捻挫等、手足のケガをする事があります。

これも山道や郊外だと薬や病院にいくまで、とりあえずの応急処置用に湿布薬も必携でした。

 

■たばこ

当時、私はタバコを吸っていました。

濡れては困り、休憩時にすぐに取り出しやすいようにタンクバッグにいれておきました。

ツーリング先での休憩時の一服、自分としては「絵になるなぁ」と自己満足の世界に浸っていました。

 

■雨合羽

いわゆるレインウェアですね。

当時はバイク用といっても、上下オレンジのラーメン合羽というものを使っていました。

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今のように携帯とかで随時天気予報も見られないので、長期ツーリングではいつ雨が降ってきてもいいように、すぐに取り出しやすい場所に仕舞っておきました。

野宿だと、天気予報とかニュースとかホテルや宿ではないのでテレビが見られず、立ち寄った大衆食堂やドライブインのテレビや置いてある新聞で情報を仕入れてました。

 

【左右のサドルケース】

ツーリングに目覚めてから、割と早い時期に取り付けたのがこのFRP製の左右のリアケースです。

雨で降られる事も多かったので、荷物が濡れないのがとても便利でした。

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ただ50ccに付けるBOXなので、容量はかなり小さかったと思います。

この中に入れていたものとしては、

 

■整備用車載工具

ソロツーばかりでしたので、出先でトラブルに合ったときはとにかく動くように修理しなければなりません。

車載工具だけでは足りず、いろんな工具をプラスして載せていました。

作りの良くない安い車載工具は、雨に濡れるような墓所にいれておくとすぐに錆びてしまいました。

 

■パンク修理キット

これも必須アイテムです。

法定速度が30km/hと遅く、道路の左端を走る事が多い原付だと、路面に落ちている釘やガラス、金属の破片等でタイヤを突き刺しパンクする可能性が高かったですね。

実際には原付の時より、この後乗ったホンダ・HAWKでの西日本一周やXL250の方がパンク修理をよくしましたが、タイヤレバー3本、パッチセット、予備チューブ、予備バルブ、ムシとムシ回し、それに携帯型の空気入れさえあれば、道ばたで座り込んで、前後タイヤとも自分でパンク修理出来ました。

ハーレーだとこうはいかないですね。

 

■蚊取り線香

夏場の野宿で必要かなと思って持って行きました。

渦巻き型の「日本の夏」ですが、腰にぶら下げられる金属製のケース入りです。

でも屋外だと煙が拡散してしまって効果が薄いし、かといって顔の近くに持って来て寝ると煙くて喉をやられてしまうので実用制はあまりないかも。

いっその事、蚊帳でももっていった方がいいかも。

あっ、それならテントの方がいいですね。

 

■懐中電灯とろうそく

野宿する場所によっては、場所を決めて早々に休む準備をして寝袋にもぐっていると、夜急にそこの明かりが消えてしまうことがあります。

自動なのかタイマーなのかわかりませんが、施設の夜間照明を落としてしまうのでしょう。

そんな時、今更場所を移って他の野宿する場所を探すのは大変なので、そのまま寝ますがさすがに真っ暗だと不安なので懐中電灯を用意しておきます。

LED照明なんていう長時間持つものはないので、普通の単二電池の懐中電灯とろうそく(キャンドル)持っていきました。

いざという時、雨風さえなければキャンドルの方が長時間明るさを保ってくれます。

 

【リアキャリアに括り付けたザックバッグ】

なぜか家にあった(たぶん自分で買ったんでしょう?)、いかにも「旅に出るぞ」風のバッグです。

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今では防水ナイロン製の同じような形のもっとかっこいいバッグがありますね。

濡れては困る着替えや寝袋を入れていましたので、雨対策としてこの廻りにバイクの車体カバーでくるんでキャリアにのせていました。

車体カバーはこの他にも、簡易タープとして廻りの木に結びつけて使う事もありました。

 

■寝 袋

これだけが「旅」の雰囲気を盛り上げるグッズです。

出来るだけ小さくなるもので、基本的に暖かい季節しか野宿しないつもりだったので、コンパクトになるタイプを買いました。

 

今ならこれに、下に敷く銀色マットを積めば背中も痛くならず、よりキャンプっぽく見えたでしょうけど当時はとにかく荷物を減らす事を優先して、銀色マットは持っていきませんでした。

まあ若かったのでコンクリートや岩の上でも寝袋だけで寝られたんでしょうね。

今なら腰痛、背中痛で翌日の走行にこたえそうです。

 

■空気枕

寝袋をしまう袋に着替えを入れて枕にもなりますが、小さいのでこれとは別に空気を膨らます枕を持って行きました。

どちらかというと高さのある枕が好きなので重宝しました。

 

■着替え

野宿での長期ツーリングの問題点は、洗濯が出来ない事です。

夏場のツーリングだと下着の換えや、雨に濡れた時に着替えるもの(特に靴下)はそれなりの枚数が入ります。

途中で宿に泊まれた時には、まとめて風呂で洗濯できるので助かります。

駅の洗面所で洗濯するのはマナー違反ですが、昔はローカル線の無人駅で野宿した時、早朝洗ってそのままバイクの荷台に括り付けて走りながら乾かした事があります。

でもこれはやめた方がいいですよ。

幹線道路を走っていると、乾くことは乾きますが車の排気ガスで白い下着がうすい灰色になるし、第一カッコ悪いです。

 

ざっとこれくらいの荷物をタンクバッグ、リアサイドBOX、そしてキャリアに乗せたザックに入れて野宿ツーリングに出かけました。

 

これらの荷物も生まれて初めて出る野宿ツーリングだったので、何が薬に立って、何が入らないか検討もつかず、適当に寄せ集めたものです。

その後、何度か野宿旅を重ね、荷物の捨拾選択が出来てくるともう少しスマートになってきました。

寝袋以外、特にキャンプ用、ツーリング用でなくても普段家で使っているもので十分実用的でした。

ただ「旅」に出る雰囲気を高め気分を盛り上げるには、やっぱりバイク用、ツーリング用のモノの方がかっこいいでしょうね。

 

次回は、人生初めての原付による東京からの東北一周野宿の旅、ツーリングを書いていきます。

 

コメント

  1. まさ琉 さんへ、
    今はこういう、バイク入門者向け(?)の
    元気な原付が無くなってしまいましたね。
    昔は高校生になると、
    クラスの男子はこぞって原付の免許を取って
    バイクに乗りだしたものでした。
    >クラブハーレーに投稿した記事
    見てみたいです。

  2. CB50が懐かしいですね。

    おいらも自転車じゃ(一応サイクリング車)せいぜい10km範囲。
    原チャリ乗ってのツー。景色、距離、全てにおいて感動でした何もかも。

    この時の気持ち、思い起こさせてくれたのが家内だったのです(クラブハーレーに投稿した記事)

    あの時の仲間、何人か現役に集まってきてます(嬉

  3. おくさん さんへ、
    私の場合、バイク=旅(ツーリング)の足、でした。
    ホテルなんかに泊まると「旅」ではなくなって、
    旅行、ドライブになってしまうと思いました。
    だから、寝る時は野宿かキャンプ、
    1週間か2週間の長期ツーリングで
    どうしても宿に泊まるとしても、
    ユースホステルか民宿でしたね。

    オノジ さんへ、
    今、いろんな意味で
    安心だと思われていたこの日本の
    「治安」という部分にも不安がつきまといます。
    昔のように野宿も簡単にいかないかもしれませんね。
    今でもコロナのツーリングバッグは新品で購入出来るんですよね。
    http://biketoshumi.chips.jp/wp/wpcontent/2010/07/post_758.html

    DON さんへ、
    そうなんですか。
    昔からのあこがれだったんですね。
    今はその願いがかなって、
    病気にも打ち勝ってハーレーライフを楽しまれているんですね。
    私は、ハーレーを買う、ほんの数日前まで、
    自分がハーレーに乗るとは思ってもみませんでした。
    たまたま行ったディーラーでの、一目惚れ!
    初めて行ったお店でその日にハンコを押してました。

  4. ハーレーに乗りたくて、いつもいつもチャンスを狙っていました。
    しかし、実際に乗って見ると、人生観が変わるほど感動もしました。
    キャンプというアウトドアもハーレーに乗り考えも変わりました。
    国産に乗っているときは、走り出し、遠くに行っても不安は全くありませんでしたが、ハーレーの場合は不安が倍増しました。
    しかし、不安をなくす為にそれはそれは努力と勉強と!
    そんな手のかかるハーレーがこれからも人生のパートナーです!

  5. メカ好きおじさん こんにちは

    梅雨に入り雨の週末ですが、この野宿旅のススメを読んでいると
    若者でもないオノジも旅に出たくなりました
    長期の休みが取れれば即実行なんですがね
    それにしても
    コロナツーリングバックは懐かしいですね 愛用していましたよ

  6. 昔はバイクでツーリングっていうと、キャンプのイメージでした。
    でも私は、そんな苦労はしたくなくって、旅館に泊まってたので、
    なんか恥ずかしかったです(^^;)
    大変でしょうけど、走ったっていう達成感がありますよね~。

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