スタンピングリーフを使ったゆるキャン・キーホルダーの使い方を紹介(動画付き)

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先日、ゆるキャンのキーホルダーを紹介した際、作り方にちぃてのお問い合わせを何人の方からいただきました。

今回、スタンピングリーフを使ってイラストや実写版の写真などを革に金色の箔押ししてキーホルダーを作るやり方を、ちょっぴり丁寧に解説します。
動画での説明もありますよ。

まず、スタンピングリーフって知ってますか?
金や銀、その他色の付いた金色の薄いフィルム状のシートで、紙や革、布などにアイロンで転写できるすぐれものです。


原理は、透明フィルムの下にある金色の層が、アイロンの熱で溶けたコピーの紙などに貼り付くというものです。
ですから原稿としては一般的なインクジェットではダメで、レーザープリンターやコピー機など、トナーと呼ばれるプラスティックの小さな粒状の粉を焼き付けて印刷したものが必要です。 このトナーの部分がアイロンで溶けて接着剤の役目をするからです。

原稿の黒い部分にのみ、スタンピングリーフの金色の箔の部分が転写します。
実際にはカラーコピーなどの色付きでもトナーの粉であればOKです。

招待状やグリーティングカードなど、紙製のものであれば直接コピー機に通せれば、文字やイラストの黒い部分に箔押しが出来ます。

今回のように革に転写したい場合は、ひと手間増えます。
まず、つくりたい画像を白黒反転したものを用意してそれを紙にレーザープリンターで印刷、あるいはインクジェットプリンターで印刷したものをコンビニなどでコピーします。
この紙にスタンピングリーフで箔押しすると、はがしたフィルムの方には箔押しされなかった部分だけが残っています。 これを使います。
次に革にクリアースプレーを吹いて乾燥させ、その上に先程の残ったフィルムを載せ、再度アイロンで転写すると、スプレーが熱で溶けて接着剤となり、その残った金色の部分が革に転写されるという仕組みです。

こうして革に箔押ししたスタンピングリーフはとても丈夫で、指どころか爪の先で軽くこすったくらいでは落ちません。
私のスマホケースはこうしてつくったものがありますが、3年ほどつかってもしっかり残っています。

長くなりましたが、それではゆるキャン・キーホルダーの作り方を紹介します。

使うのは、スタンピングリーフのほか、家庭用のアイロンやクリアー、クッキングシートなど家庭にあるものです。

原稿はパソコンで作成します。
黒い革に箔押しするか、薄い色(ヌメ革等)にするのかで原稿を白黒反転するかしないかを用意します。

家にレーザープリンターがあればそれで印刷、なければコンビニや図書館に走ります。

ちなみに、このために私はレーザープリンターを買いました。

印刷するときは濃いめにした方がいいとありますがこれも一長一短です。
すでにやったことある方ならおわかりでしょうが、アイロン転写しても結構フィルムにゴミが残ってしまいます。 これを防ぐには濃いめ印刷が有効です。
でも同じ原稿でも濃いめに印刷すると、写真などではつぶれてしまい、顔などがわかりにくなってしまいます。
下の写真は同じ原稿を濃いめと薄いめで印刷した違いですが、濃いめの方で箔押しすると顔がのっぺり白くなってしまいました。
今回はこの薄いめを使って作成しました。

白黒した原稿をカットします。
今回は、ゆるキャンのイラスト版とドラマ版、それにジムニーのキーホルダーの三つを同時に作成したので原稿もこうなっています。

スタンピングリーフを用意します。
これは実写版の方で白黒反転版です。

スタンピングリーフを原稿より一回りだけ大きくカットします。

転写に使うアイロンは家庭用のものでスチームはオフにします。
温度は中温ということで130度から150度がいいということなので計測しました。 アイロンの先端の方が熱く真ん中は少し低めでした。
バイクのエンジンやマフラー、エキパイなどの温度を測るためにこんな道具も持っています。
アイロンのかわりにラミネーターを使う方もいるようです。

原稿に敷く台は硬めの雑誌や本などがいいようです。 アイロン台は柔らかすぎて熱が均等に伝わりません。
雑誌の上に原稿を置き、その上にクッキングシートを敷いてアイロンでプレスします。 あまり動かさず上から押して、アイロンを持ち上げて向きを変えてさらに押します。

すぐに剥がそうとするとまだトナーの熱が下がっていないため金色が戻ってしまうことがあります。
十分に冷ますためには例えば金属製のシンク台の上に置いて熱伝導を利用します。

少しはがしてみてまだかなり残っている場合にはそっと戻して再度アイロンをかけます。

原稿ができました。 右が元の紙の原稿で黒い部分に色が移っています。 左側がスタンピングリーフでフィルムにこれから使う部分が残っています。
見ていただく通りスタンピングリーフにまだ点々と箔の部分が残っていますのでこれを丁寧に削ります。

スタンピングリーフを裏返して銀色の面で、不要なところをけずるのですが大きく取りたい所はセロテープで優しく貼って取る、細かいところは千枚通しや鉄筆のような金属製の尖ったものがいいようです。 以前は爪楊枝でやっていましたがそれより金属製の方がおすすめです。
見えにくいので黒い紙の上などでやるといいでしょう。

こちらイラスト版の原稿で、使う部分だけ丸くカットしました。

革にクリアーをスプレーします。 軽めに2、3回に分けてスプレー、それぞれ10分以上乾かします。
革が艶なしならスプレーもつや消しにします。
使うスプレーですが、スタンピングリーフの社長さんの話では、粒子が細かくて均一に噴射できるので東急ハンズのオリジナルのものがおすすめですとの事でした。 私もつかっています。

革のスプレーが完全に乾いたら、キーホルダーの原稿を印刷したものを重ねてカットします。
今回は2.0mm厚の革を使いました。

カットした革にスタンピングリーフのフィルムを載せます。

台、革、原稿、クッキングシートの順に重ねます。

さきほどと同様にアイロンで抑えて転写します。

またよく冷ましてから薄いフィルムを剥がします。
爪で剥がしにくい時、私はカッターの刃をそっと差し込んでいます。

革に転写できました。
写真の原稿でも濃度さえ気をつければ特に加工しなくてもそのままでこの程度には箔押し出来ます。

ここまでがスタンピングリーフの使い方です。

ここからはレザークラフトのキーホルダーの作り方です。 はじめての方でもわかるように解説していきます。

今回のキーホルダーは馬蹄のものを二つ折りにして革を重ねてつくります。
真ん中にキーリング(私が使ったのは25ッmの二重カン)が通りますので、後では磨けない内側、革の裏側=床面(トコメン)とコバを先に磨きます。
指でトコノールを塗って半乾きの状態で木製のスリッカーでこすって毛羽立ちを抑えます。

革専用の接着剤を塗ります。

二枚が重なるように貼り合わせます。

金属製のローラーで圧着します。 これをやるとやらないでは接着力と均一につくかどうかが全く違います。

型紙どおりに革をカットしてもどうしてもズレがあるのでここでコバをヤスリで磨いて二枚の革が一枚になるように削ります。

コバを半円状につるつるになるようにします。
まずはコバに指で水だけつけてスリッカーの溝を当ててこすります。 革は水で濡らすと柔らかくなって形が変わるのでこの作業だけできれいな半円状になります。

革の周囲に縫い穴を開けるためのガイドを引きます。
私はマルチステッティンググルーラーを使っています。 これはガイド線を引くだけでなく溝刃に変えれば一定幅の細い溝を掘っていくことができます。 溝が掘れれば縫い糸が革の上に出ずに中に収まるので擦れて糸が切れる心配がありません。

マルチステッティンググルーラーなくてガイド線を引くだけなら菱目打ちの二枚刃のものを革の角にあてて引くことも出来ます。

菱目打ちで穴を開けます。 今回は4mm間隔のものを使いました。
直線部分は四枚刃のもので開けます。
正面から見て刃の傾きがないか確認しながら木槌で打ち、次の目はひと目だけ重ねて打っていきます。

コーナー部分は同じく4mm間隔の二枚刃を使って開けます。

革の手縫い用の糸に専用の針を刺します。
写真のように糸の中央に針を刺し、S字になるようにしてから短い糸の先を針の穴に通します。
糸の尖った方を上にして指先でつまみ、先に短い糸の方をひっぱり、その後長い方の糸を引いて糸をよじって抜けないようにします。

縫い方は普通の並縫いですが、最初の返し縫いをして一番上で革のコボをループして回し開かないようにしてから縫っていきます。

縫い終わりは2mmほど残して糸をカットします。

ライターの炎を革の横からあぶるようにして糸に少しずつ近づけ、糸がチリチリと丸まっていくようにして最後はライターの平な部分を押し当てて固定します。

最後にもう一度、コバの部分にトコノールを塗ってさらにツヤツヤに仕上げます。

薄いヌメ革の端革でこすってもいいでしょう。

ゆるキャン、ドラマ版のキーホルダーの完成です。
志摩りんの髪を斉藤さんが結って「できた、くまヘアー!」が完成した場面です。 「おいやめろ!」

イラスト版のキーホルダーの方は中にアンコを詰めて膨らませています。

こちらはエンボス加工をした革を使っています。
アイロンがうまく押し当てられないのはわかっていたのですが、スタンピングリーフでどこまで箔押し出来るか試してみました。
やはり凹みの部分にはうまくのっていないですが、まあそれも味でしょう。

横から見るとこれだけ膨らんでいます。

二種類のゆるキャン・キーホルダーの完成です。

最後に、この制作過程を紹介した動画です。
3分ほどにまとめていますのでぜひご覧になってください。


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