松山で坊ちゃん列車に乗ったので詳細レポート

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出張で四国、愛媛県の松山に行って来ました。
仕事が一段落したところで今回楽しみにしていた坊ちゃん列車に乗ってきましたのでちょっと詳しくレポしてみます。
もともとSL蒸気機関車が好きで、秩父にツーリングに行った時も出会える時間帯なら秩父鉄道を走るパレオエキスプレスを見に行くほどです。
今回は、SLの中でも特に好きなBタンクタイプの車輌なので、出かける前から興味津々でした。

最初に少しだけ坊ちゃん列車のレクチャーを書いてみます。

 

運営している伊予鉄のホームページによると、坊ちゃん列車とは明治21年から67年間に渡り松山市民の足として活躍した蒸気機関車の事です。
当時は最大18台が走っていたそうです。
名前の由来は夏目漱石の小説「坊ちゃん」に登場して温泉に通う足としたところから命名されました。
その後列車の電化にともない廃線となりましたが、地域からの要望を受け2001年に復活しました。
しかし市内を走る列車として当時と同じ蒸気機関車とはいかず外観は当時のままでディーゼルエンジンを搭載した車輌となっています。

でも汽笛も当時のような音色でなるし、煙突からは水蒸気を発生させて当時の様子を再現しています。
現在車輌は1号機と14号機の二両あり違いは、
 ・運転席丸窓 : 1号機は縦楕円、14号機は丸窓
 ・煙突 : 1号機は円筒形、14号機は漏斗形
 ・給水筒 : 1号機はなし、14号機はあり
 ・蒸気溜加減弁 : 1号機は水牛の角形、14号機は鹿の角形
があります。

また牽引される客車は、1号機は18名乗車出来る車輌が2輌連結され、14号機には36名乗車の客車が1輌連結されていました。

現存する当時の車輌は、梅津寺公園にあるそうですが、ほかにも松山市駅近くの伊予鉄本社前に1号機の原寸大のレプリカが展示されています。
はじめに伊予鉄前の車輌を見に行きました。

 

これこれ、このコロコロしたような愛嬌のある小さな蒸気機関車が好きなんです。

 


 

 ※ 下の模型は私が持っているつぼみ堂製のBテンダーです。
つぼみ堂模型店のBテンダーとHOゲージ

現在、坊ちゃん列車は古町からJR松山経由で道後温泉へ行くルートと松山市駅から道後温泉に行く二系統があります。
平日だと前者は一日6便、後者は2便、土日祝は前者7便、後者3便あるようです。
 ※ ↓ クリックで拡大します
坊ちゃん列車時刻表

今回は乗りやすい松山市駅から道後温泉まで乗ってきました。
時刻表を見て、道後温泉発の電車が何時に松山市駅に着くかをチェックしておきます。
到着してから出発するまで20分以上ありますが、ここはぜひとも反対方向から電車が来る時から待機しておくことをお勧めします。
その訳は後ほど。。
松山市駅は松山城のある方から来て駅の直前にカーブして入線してきます。
この時、「ピィーッ!」と汽笛を鳴らしながら来るのですぐわかります。

 

やってきたのは14号機、客車は一輌です。
この松山市駅は始発・終着駅になりますので入れ替え線があります。

 

同じ路線を普通の市電が走っていますが、市電なら車輌の前後に運転席があるので運転士が車内を移動して反対向きに走れば問題ありません。
でも坊ちゃん列車は違います。

客車の前に先導する必要があるので「向きを変える」事が必要になります。
この「転回」作業が、反対経路からの到着直後に行われるので、ぜひともこれを見ておきたいものです。
その方法は、まず客車とSL部分の先頭車を切り離します。

 

先頭車だけ前進して線路端まで来て停止、その後バックして入れ替え線内中央の転回板のある上まで来ます。
ここで停止した後、運転台下に付いている油圧ジャッキ操作ボタンを押して車体を持ち上げます。
写真ではまず後輪が浮いているのがわかると思います。

 

車体が浮いたら運転士二名で「人力で」車体を回します。
これスゴイですのではじめて見ると驚きますよ。

 


 

180度向きがかわったら操作ボタンで油圧ジャッキを上げて、先頭車はそのまま反対路線の方に前進して待機しています。
その後、客車を前進させるのですがこれがまた「人力」です。

2、3名で押して線路端まで行き、

 

入れ替え線から反対路線に行き、待機していた先頭車に連結します。

 

1輌客車は2、3名で押しますが、2輌客車は重量があるので4名で押していました。

 

客車が連結された坊ちゃん列車は、乗り場のある線路端の方までバックして完了です。

 

この市電はけっこう頻繁にやってきますので、転回作業は短時間でてきぱきとこなさなければならないのかなり大変そうでした。

文章だけではわかりにくいので、転回作業を動画で紹介します。
場所は、この松山市駅と終点の道後温泉駅の二カ所を掲載しています。

走行中の映像には汽笛も入っていますよ。
 ※ クリックで動画を再生します。

坊ちゃん列車は機関車の点検などで運休になる便もあるのでこの掲示板でチェックします。
また「団体貸切」や「団体あり」などで乗車出来ない場合もあります。

 

切符は松山市駅の場合、駅構内の伊予鉄バス案内所で購入出来ますし、乗車した後車内でも買えます。
料金は500円ですが、市内電車の1Dayチケットや2Dayチケットを持っていれば300円の追加で乗車出来ます。

夏休みやGW、土日祝など混雑する時には整理券が配られたり、満席で乗車出来ない事もあるそうです。
今回は平日だったので乗り場で待っていればすぐに乗車出来たのでラッキーでした。

 

参考までに、上の切符は案内所で先に買っておいたもので日付入り、下の切符は車内で購入したので日付なしで丸穴ありです。

 

上の切符の端に四角くハサミが入れてあるのは、この切符を見せれば伊予鉄高島屋の屋上にある大観覧車にタダで乗ることが出来るのですが、その際に切られたものです。
観覧車は一周約15分で松山市内を一望出来、その乗車券が500円ですから乗らない手はありませんね。
ただこの観覧車、ちょっと古いようで左右の窓が傷ついて少し曇っているのが残念です。
ここで待っていれば坊ちゃん列車に乗れます。

 


 

発車15分前くらいから乗れるようです。
客車の後ろから乗り込みます。

 

混雑していない時は席は自由です。
わぉぅ!この木製の車内がなんともレトロ感覚でいいですね。

 

私が昔、高校生の頃東京で乗っていた東武東上線も床や窓枠も木製でした、っていうとかなり歳のようですね、ははは!
この車輌には冷暖房が付いていないのですが、日よけは木製の格子で手で上げ下げするようになっています。

 

天井には吊革はなく、手すりがありますが背の低い方だとちょっとキビシイかも。
電灯もぼぉーっと光っていい感じです。

 

客車のすぐ前は運転席です。

 

乗車してからも発車するまでは自由に席を立って写真を撮れます。
乗ってくる車掌さんによりますが、親切な方にあたるとこちらから頼まなくても「シャッター押しましょうか?」と言ってくださいます。
しかも「はい、じゃあもう一枚ポーズを変えて。。」うーんこういう何げないサービスが旅人にはとってもうれしいですね。

(注; はて、私は「旅人」なのかな? たしか「仕事」で「出張」で行ったはずじゃあ、、、?笑;)

 

運転席の窓にはさすがに最近のクルマと同じワイパーが付いていました。

 

運転席の様子です。
左側に二台あるモニターは死角になりやすい右前と前方を映すものだそうです。


 

それにしてもオリジナルの蒸気機関車のものを出来るだけ似せて再現していますが、昔のものの方がかなりシンプルでしたね。
伊予鉄前のレプリカ車の運転席と比べてみてください。

 

この機関車、i輌でいくらくらいするかご存じですか?

普通の市電はだいたい7から8千万円くらいのところ、2億5千万円もするそうです。

機関車と客車の連結部です。

 


 

連結板が平らでなく曲がっているのは線路のカーブに合わせてあるため。
連結自体はその下のフックのところのネジを手で回して行います。
太いチューブはブレーキ用のエアホース、細いケーブルは電気です。
デッキの様子も、古いアメリカ西部の列車みたいでかっこいいですよね。

 

車内の路線図の下には、四国銘菓の「一六タルト」の宣伝。

 

出発時刻になると車内もだいぶ混んできました。
といっても平日昼間だと混んでも20数人だったり、

 

空いている時は5、6人しか乗っていないこともあります。
乗っている方は家族連れの観光客のほか、女性の一人旅や出張中のサラリーマンの姿もちらほら。。。(って、私ものその一人です)

 

坊ちゃん列車は発車するときや曲がり角などでは汽笛を鳴らします。

 

道行き観光客の方がしきりに写真を撮っているので、中にいるとなんとなく優越感に浸るのはわたしだけ?
車内では車掌さんが簡単な観光案内をしてくれます。
県庁の場所やゆるキャラ「みきゃん」について、

 

松山城が一番キレイに見えるスポットなども。

 


 

これも乗ってくる車掌さんのキャラや、お客さんの数、ノリでいろいろのようです。
中にはご当地クイズなんてものも出たりして楽しめます。

 


 

景色を眺めたり車掌さんのトークで楽しんでいる間に、20分ほどで松山市駅から道後温泉駅に到着です。

 


 

この駅でも機関車の転回作業を見学出来ます。
下り線路脇のこの細い道を少し行ったところで作業をしています。
上の動画にも載っていますね。

 

駅前には時間帯によって車輌が駐機しています。

 


 


 

この機関車がディーゼル車だという証、クルマで運ばれてきた軽油を坊ちゃん列車に給油しているところです。

 

これで短いですが坊ちゃん列車の旅は終着点の「道後温泉駅」までやってきたのでおしまいです。
次回は、「道後温泉入浴」について書いてみたいと思います。

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