新潟港を出航してから18時間、北海道の小樽港が近づいてきました。
昨日の晩は9時過ぎには熟睡してしまっていたので、朝は入港1時間前の3時半の船内放送が始まるより前に目が覚めました。
バイクに積み込む荷物は昨日のうちに整理しておきましたが、心配していたのは出発の時に雨が降っているかどうかです。
雨降りだと、レッグカバーをせずにレインウェアを着込み、その上からエアーバッグを着ていくようになります。
キャリア上に固定する荷物=シートバッグにも雨用カバーが必要です。
デッキに出てみました。
小樽港の背後に覆い被さるように鎮座する山々にも霧(雲?)が立ち込めています。
これは航行中のログを取っていたGPSロガーのi-gotU GT-800Proです。
行き帰りのフェリーでのログはこのGT-800Proで取得し、これからハーレーで走る北海道はツアーパックに設置したGT-600でログ取りします。
こちらのGT-800Proは今晩の宿で充電した上でポケットにいれておいて、徒歩で観光する際のログ取りにも使います。
外の様子を確認するとともに、港に近づいたので電波が入るようになったスマホで雨雲の移動予想をチェックします。
夜中から明け方にかけては雨が降っていたようですが、どうやら入港時の小樽は止んでいるようです。
これから進む方向の旭川、網走方面も、一部で雨雲がありますがそこまで走っていくまでにはこれも東に抜けてしまうと予想しました。
4時過ぎ、船内アナウンスで車両甲板への立ち入りが出来るようになったのでウェアを着て荷物とヘルメットを持ってバイクのある2階に降りて行きます。
荷物を積んでいるライダー達は、これから始まる北海道ツーリングへの大きな期待と、天候の心配がちょっぴり混じった表情をしています。
でも北の大地を走れる喜びでみんなドキドキうれしそうです。
定刻どおりの4時半、まだ薄暗い小樽港に着岸しました。
フェリー後部のゲートが開いていきます。
下船する順番はその時々で決まっていないようです。
前回は、自衛隊のトラック、乗用車、バイクの順番でしたが、今回はバイクが一番初めに下船しました。
スロープの鉄板の上は濡れていますが、一気に降りてしまえば不安もありません。
フェリー後部につながったスロープを降りて右折して行けば小樽市内方面ですが、歩いて降りてくるタンデムの妻を迎えに左に曲がりフェリーの船首より先にあるターミナルビルに向かいます。
小樽港の徒歩下船者は、かなり長いデッキを歩かされる事になります。
ここで妻と合流、残りの荷物をパッキングしていよいよ北海道内でのツーリングの始まりです。
と言う前に、まずは朝飯、腹ごしらえです。
昨年の道北ツーリングの際は、オロロンラインをずっと北上していたのですが、飲食店が無いのとあっても朝早いせいでやっていないところばかりでなかなか朝食にありつけませんでした。
今回はその反省をいかしてここから近い朝早くからやっている鱗友朝市の食堂でいただきました。
フェリー港からは6、7分で到着します。
お店の正面は道路に面していて歩道際にも停められますが、店の裏手にも駐車場があるのでこちらに停めました。
食堂は二軒あり、「のんのん」と「味さき」です。
今回は「のんのん」に入り、小樽丼(1,700円)というのを注文しました。
お店の中は壁際のカウンターとテーブルだけのかなり狭いところなので、ヘルメットやライディングウェアを脱ぐと置く場所に苦労します。
出てきたのはコチラ、割りと小ぶりの丼(それでもご飯は普通です)にイクラ、帆立、ヒモ、ウニが乗っています。
量はともかく、味はまあ普通でしょうか。
メニューを見るとメインは1000円から2500円(ウニ丼)くらいなので特に安いという訳ではないですね。
寝起きですぐ活動開始出来る私はいいのですが、スロースタートの妻は「味はよくわからなかった」と申しておりました(笑;
店を出て小樽運河沿いを走ります。
まだ朝早いので観光客も皆無です。
ここも昼間は人出がすごいのでしょうね。
5時35分、小樽ICから札幌道に入ります。
ここからしばらくは高速道路での移動になります。
「北海道ツーリングでは一般道でもかなりの速度で流れているから高速乗る必要はないよ」という声も聞きますが、制限速度はありますし市街地では40km/h、50km/hで取り締まりもやっていますしもちろん信号もあります。
今回のように一日で小樽から網走までの400km以上を移動しようとすると高速道路を使ったほうが早くて疲れも少ないと思います。
料金だって小樽ICから比布JCTまで(その先丸瀬布までの紋別旭川自動車道は無料区間の自動車専用道路です)なら、ETCの早朝割引を使えば2,550円です。
相変わらず行く先の空にはいろんな形の厚い雲がありますが、それでもすこしずつ青空の部分が増えてきているようです。
これならこの先の天気の回復に期待がもてそうです。
高速に乗って15分ほどで最初の金谷PAに入ります。
ここにもスナックコーナーがあるのですが営業時間は8時から19時までなので、フェリー到着後の朝食には使えませんね。
パーキングには同じフェリーから降りてきたハーレーの方がお二人いらっしゃいました。
今日は道南の方を目指すと行っていました。
天気がいいといいですね。
札幌市の横を通過した時に、以前行った「チョコレートファクトリー」の建物が見えました。
お菓子の白い恋人パークで工場見学やからくり時計など結構楽しかったですね。
小樽ICから1時間ほどで岩見沢SAです。
まだまだ先は長いのでマメに休みを取りながらゆっくり進みます。
次の休憩は砂川SAです。
ここのレストランの「エゾシカ坦々麺」というのにも興味がありますね。
北海道の高速道路にはSAでもガソリンスタンドのあるところの方が少ないですし、PAもトイレだけあるいは自販機だけで売店なしなんていうところも多いので、本州と同じ感覚で「ガソリン残量が少ないけど次のサービスエリアで入れればいいや」なんて思っているとひどい目に遭いますのでご注意ください。
北海道の高速道路の給油所はなんと三箇所しかなくて、道央道の「砂川SA」「輪厚PA」そして「有珠山SA」だけです。
雲もだいぶ取れてきて路面も乾いてきました。
抜けるような青空が気持ちいいですね。
思わずメットの中で「北海道、サイコー!!」と叫んでしまいます。
本州だと地平線近くの空は白っぽくくすんでいる事が多いですが、ここ北海道では下の方の空まで青い色が広がっています。
それに山々がみんな遠くにあるので空がとっても広く感じます。
これぞ北海道の青い空です。
私の北海道のイメージは、青い空と白い雲、それに牧草ロールです。
奥白滝PAに着いたころにはすっごくいい天気で暑いくらいの気温です。
隣でクルマのフロントに付いた虫を拭いていた年配のご夫婦に声を掛けると、函館から泊まる宿を決めずに気ままに走ってこられたとか。
時間にゆとりのある方の北海道ドライブはいろいろなトコロを回れてうらやましいですね。
晴れ女パワー絶好調の妻もタンデムシートで思わずピースサインです!
天気予報ではあれだけ曇り/雨のマークばかりでしたが、これだけ晴れれば文句の付けようがないでしょう。
草原の中でエゾシカの家族を見かけました。
今回のツーリングで初の野生動物との遭遇です。
9時45分、道の駅まるせっぷまでやってきました。
小樽ICから休憩しながら4時間10分ほど掛かりました。
あまりに暑くてソフトクリームでクールダウンです。
ここから美幌の市外を抜け、今回の行きたい峠の一つ、「美幌峠」を目指します。
美幌峠は標高490mで展望台からは屈斜路湖や周囲の阿寒の山々を一望出来る場所です。
さらに「君の名は」のロケ地になった事でも有名です(ホントはこの映画は観たことないんですけどね)
美幌の市外を走っていくと道路の上に掛かる電光掲示板に「美幌峠、視界不良で走行注意」と表示されているではありませんか!
でも雲はあるもののこんなにいい天気です。
きっと大丈夫だろうという何の根拠もないままに市街からハーレーを走らせる事、25分。
山道に入り標高が高くなるにつれ、周囲に霧が立ち込めてくるようになりました。
雨雲レーダーには何も写っていなかったのですが、霧のためにシールドやウェアに水滴が付くようになってきました。
それでも無理やり走り続け、12時40分に美幌峠のレストハウスに到着した時はこんな天気になっていました。
右奥の霞んで見えるのが私のハーレーです。
「視界不良」その注意警告は間違っていませんでした、うーー残念!
せっかく楽しみにしていたのですが仕方ありませんね。
次回(ってあるのかな?)のリベンジの楽しみに取っておきましょう。
お腹が空いていましたのでレストランに入りました。
中にはライダーが何人か、レインウェアを脱いで雨宿りしながら食事を摂っていました。
私達が注文したのは、豚と甘エビの唐揚げが乗った「ダブル・オホーツク唐揚げ丼(1,100円)」です。
食事が終わった後も外の霧の様子は変わりません。
あきらめの悪い私は、それでも看板だけでも写真を撮ろうと、レインウェアとヘルメットを着けてレストハウスの横の道を登っていきます。
1、2分で到着です。
これが美空ひばりさんが歌った「美幌峠」の歌碑です。
そしてこちらが峠の看板です。
行った証にセルフタイマーで自分撮りです。
晴れていればこんな景色が広がっていたんでしょうね。
イヤイヤ、動物はこんなにいないでしょうね(笑;
悔しかったので売店で買ったマグネットの写真を載せておきます(笑;
今回はこの峠を越えずに来た道を戻って網走市街に向かいます。
ここに来る前に「視界不良」の掲示があったのに、それでも往復50分掛けて「来たぞ!」という実績だけ残したかったのですが、皆さんだったらどうされたでしょうか?
私のようにここまで来るか、あるいはどうせ見えないんだから他の場所へ早く移動しようと思うのでしょうか。
峠から10分ほども降りてくれば霧はまったく晴れていい天気。
着ていたレインウェアも脱いでしまいます。
身軽になったところでこの後も今日のお目当てスポットがまだ二箇所ありますので、気を取り直してそちらに向かいます。
長くなりましたのでこの続きはまたあとで書くことにします。
コメント
この後の能取岬はまさに「北海道、最高~!!」でした。
小樽フェリーで早朝に着くのは、その日が有効に使えるのはいいですが、
食事をするところに困りますね。
エガッキーさんの北海道キャンプツーリングも
準備はすすんでいますか。
美幌峠に行ったのも一日違いだったんですね。
やはりその日もだめでしたか。
でもリベンジ成功でよかったですね。
私は日程に余裕がなくて無理でした。
すばらしい景色をみられたんでしょうね。
こんばんは~♪
「北海道、最高~!!」て叫びたくなる気持ち、めちゃくちゃ解かりますっ^^/
小樽の「のんのん」さん、私もずいぶん前に両親と食べた食堂です♪懐かしい^^/
美幌峠では、すごい雨だったのですね・・・残念・・・
私も去年の冬、車で走った時も何も見えず、残念な思いをしました。
めくるめくお天気の変化・・・さすが北海道は広いのですよね!
自分も5日の夕方に、美幌峠に登りましたが、霧雨とガスで何も見えませんでした。
くやしかったので、天気の良かった8日の朝にリベンジしに行きました。
素晴らしい景色でした。