以前、ハーレーに三脚を固定しそれにデジカメをセットして、
走りながら動画を撮影する記事を紹介しました。
その中で、「使っているデジカメ(Panasonic TZ-3)の三脚取付用の穴が、
カメラの中心ではなく端の方にずれている為に、
三脚に固定した時に安定しない」と書きました。
実際に撮影していると、どうしても路面からの振動が強く、
固定していても雲台のところで傾いてしまう事が何度かありました。
また出来るだけバランスが取れていた方が撮影中のカメラブレも防げると思い、
少しだけ手を加える事にしました。
カメラの中心に三脚を取り付けられるようにするプレートを自作しました。
実は、カメラと三脚の間に装着して、保持位置を補正するのに使われ
「バランスプレート」という名称で一般にも販売されています。
ただ、一眼レフや大きめの望遠レンズ、ストロボ等を支えるためのものなので
サイズが大きく(だいたい20cm以上)、今回のようなコンパクトデジカメ用で、
数cmだけズラしたい場合には不向きです。
無いなら作ってしまおう!
用意した部品は、
・アルミ板 長い板から金ノコで切断しました。
・カメラ固定用ネジ (カメラ用品店で購入)
他には、固定ネジを落ちないようにするゴムリング
座面保護用の薄いゴムシート
より安定して固定する為の極薄のベルクロテープ
工具としては、電動ドリル、1/4タップ、金ノコ、ヤスリ くらいです。
アルミ板は5mm厚×20mm巾の棒材に、カメラ固定用のビス穴(φ5.5)を開け、
反対側には三脚に固定出来るようにタップを切り、その後、90mmに切断しました。
ビス穴には裏側に一回り大き目の穴をあけ、ビスに小さいゴムプッシュをとめて
カメラを外した時にビスが落ちないようにしました。
ズラす間隔は今回の場合は47mmに設定しました。
カメラの中心位置は、サイズ的な中心ではなく、重量バランス的なセンターにします。
今回は重さのあるアルミプレートと固定ネジを追加するので、
これを考慮して位置決めします。
アルミプレートの長さはカメラ底面を全部覆ってしまうと、
バッテリー交換の際に一々プレートを外さなければいけなくなるので、
その部分を避けて短めにするか、重量バランスを考えて全面にするか悩みましたが、
バランスを優先しました。
三脚用のネジを切る為にタップを用意しました。
φ5.1の下穴のあとで1/4インチのタップを切りました。
ここでちょっとインチネジについての知識を少しだけ。
ミリネジは家電や家具等で使われている一般的なネジで、
その規格は厳格に決められています。
例えばM8ネジなら、Mがミリねじである事を表し、8がネジ部の外径です。
他にもM8ねじは、ネジの頭の六角部の短い対角線が13mm、ネジ頭の高さが5.3mm、
M8ボルトはボルトの高さが6.5mm などのように統一されています。
それに対して「インチネジ」にはいくつかの規格・分類があります。
例えば今回のようにカメラや三脚に使われているのは、
「1/4インチ、20山、UNC」という規格です。
まず「1/4」はネジのサイズです。
カメラ用としては以前、大型機器用に3/8のサイズも使われていました。
三脚でも重量級のものは3/8サイズのものを私も使っています。
このインチサイズは、ハーレーのネジや工具でも使われているので、
1/4、3/8、5/16等皆さんも目にしている事でしょう。
次の数字の「20山」はネジのピッチサイズの事で、
1インチの中にいくつの山があるかを表しています。
20山は、1インチに山が20個で間隔は1.270mmになります(25.4÷20=1.27)
3/8インチのものは16山で1.588mmになります。
そして最後の「UNC」ですが、これの表記としては、
「ユニファイ並目(UNC)」「ユニファイ細目(UNF)」「ウイットネジ(W)」があります。
ウイットネジにもBSF(細目)とBSW(並目)があり、英国バイクはBSFが主流です。
まずユニファイとウイットネジの違いですが、これは山の角度の違いです。
ユニファイは山の角度が60度、ウイットは55度です。
ユニファイの山形はメートルネジと同じ基準山形です。
そしてUNF(細目)はピッチが細かく緩み止め目的に使われるため、
『ハーレー等の外国製バイクやアメリカの自動車、航空機に使われています』
(ネジの解説を長々とやってきたのはこの為です)
ウイットネジが使われるのは建築関係や
電気、水道等の設備関連機器に使われています。
同じ回す回数で、ユニファイより多くネジが進むという特徴があります。
一般的にインチネジとして、ユニファイ並目(UNC)とウイットネジ(W)が混在して使われていますが、
上記のように山のとんがり方が違うので注意が必要です。
UNC(緩やか)なナットに、ウイット/W(とんがった)ボルトでは、
多少ガタつく事があっても固定は可能ですが、
反対にウイットナット(とんがった溝)にUNCボルト(太めの山)を押し込もうとすると
無理が生じてネジ・ボルトがダメになる事があります。
話をもとに戻して、
作成したアルミプレートはケガしないように角を丸めておきます。
全体は紙やすりを一方向に磨いてヘアライン仕上げにしました。
カメラを乗せる面には滑り止めの薄いゴムシートを貼ってあります。
カメラとこのバランスプレートは、端に開けたビス一本だけの固定なので、
より安定させるためにカメラの電池蓋を避けた所に、
ごく薄いメカニカルファスナー(ベルクロ)を貼って取り外しが出来るようにしています。
これはオス・メス合わせた厚さが0.9mmという非常に薄い面ファスナーです。
こちらが何も加工していない今までの状態です。
いかにもバランスが悪そうですね。
こちらがバランスプレートを使ったものです。
安定してカメラが乗るようになりました。
取り付けはこのプレートをデジカメに固定しておきます。
そしてこれをハーレーに取り付けた三脚に固定すれば完成です。
費用は、アルミ棒が310円、カメラ固定ネジが180円の合計490円だけです。
三脚穴に合う1/4インチのタップを新たに購入しても500円程度です。
製作時間は1時間も掛かりませんのでお手軽ですね。
これでバランスも取れ、グラツキが少なくなりました。
実際の走行テストはまだ行なっていませんが、ツーリングが楽しみになりました。
コメント
こぺたん さん へ、
こんにちは!
最近のコンデジは、コンパクト化する事を優先した結果、
あのような位置に三脚穴を付けているようです。
でも小さな三脚に乗せると絶対的に不安定ですし、
設計している人は利用者の事を考えているようには思えません。
と言っていても仕方無いので、自作してみました。
機種によっては、電池交換がやりにくくなることもあるので
もう少しスマートに作れないかなと思っています。
こぺたんさんのブログでも紹介していただいたようで
ありがとうございました。
こぺたん さん へ、
こんにちは!
最近のコンデジは、コンパクト化する事を優先した結果、
あのような位置に三脚穴を付けているようです。
でも小さな三脚に乗せると絶対的に不安定ですし、
設計している人は利用者の事を考えているようには思えません。
と言っていても仕方無いので、自作してみました。
機種によっては、電池交換がやりにくくなることもあるので
もう少しスマートに作れないかなと思っています。
こぺたんさんのブログでも紹介していただいたようで
ありがとうございました。
はじめまして、メカ好きおじさん こんばんわ^^
私もコンデジの三脚ネジ穴の位置によるデジカメの傾きをどうにかできないか?
いろいろググっていましたら、メカ好きおじさんのブログにたどりつきました。
非常に参考になりました。
自分で作ってみたいと思います。
これからもよろしくお願いします。^-^ノ
はじめまして、メカ好きおじさん こんばんわ^^
私もコンデジの三脚ネジ穴の位置によるデジカメの傾きをどうにかできないか?
いろいろググっていましたら、メカ好きおじさんのブログにたどりつきました。
非常に参考になりました。
自分で作ってみたいと思います。
これからもよろしくお願いします。^-^ノ
waiwaiさん、
ネットで見てみたら、
Panasonicのデジカメはやはり、カメラメーカーとは違うので
三脚等を使った撮影とかはあまり考慮されていないみたいですね。
やはりカメラメーカー外のメーカーには三脚穴の無い機種もあったようです。
撮影自体は9月初めにビーナスラインで実証済みです。
こんばんは。
ずいぶん変な位置に三脚用ねじ穴が有るんですね~
良く撮れれば良いですね。
素晴らしい・・・