上限1000円高速、6月中止に

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政府は、今日の閣議後の記者会見で、現在実施されている高速道路の休日上限1000円について6月に中止する方針を発表するそうです。

これで土日祝日を利用しての高速道路を利用した長距離ツーリング、ドライブ、旅行がしにくくなりました。

休日上限1000円は、2009年3月に自公政権だった時に導入されたものですが、2年ちょっとで終了になる訳です。

これで当初今年の4月から導入予定だった「平日上限2000円(自動二輪と軽車両は1000円)」の導入見送りと合わせて、上限料金制度はなくなってしまいました。

ただし、現在実施されている「夜間、通勤の時間帯割引」や「運送業社等大口割引」については、いまのところ6月以降も継続される予定だそうです。

東日本大震災の復旧対策を盛り込んだ2011年度第1次補正予算案の財源にあてるためというのがその理由です。

「震災の復興のため」という点においては、国民の同意も得られ反対意見はないと思われます。

でも、お国のやっている財政を見るとまだまだ無駄な部分も多く、もっと根本的に削減すべき事項があると思います。

例によって、長年実施されている慣用的になっているところには手を付けず、最近実施したところで反発の(国民からの反発というより、官僚と閣僚からの反発)が少なそうな所に手を付けた感が否めません。

あえて、私は一部の方から批判があるかもしれない事を承知の上で言わせてもらえば、「今回のこの政策ははっきり言って反対です」

高速道路料金が元に戻るだけですし、月に1、2度近距離で高速乗ったり、年に数回新潟や信州、南東北に行くくらいのわがやに取っては、金額の上昇分は何とか許容範囲だと思います。

でもそれ以上に心配なのが国民全体の観光意欲や地域復興運送費用への影響です。

高速道路の1000円上限を廃止することによって、そうでなくても全国の観光地の客足が遠のいているのが、さらに悪い方に加速されないかと心配になりました。

震災以降、東日本だけでなく日本各地の観光地に訪れるお客さんが激減し、収入を圧迫していると言うことは連日テレビでも放送されています。

関東屈指の温泉地、草津温泉でもお客さんが9割減って、旅館はもちろんそこに食材や商品を納入している業者の方、顧客運送関係等に大打撃を受けたと言われています。

ここに限らず日本中の観光地でも程度の差こそあれ、同じような状況に陥っています。

今回の高速道路の上限制度の廃止は、ゴールデンウイークこそまだ実施されているとはいえ、それも政策的に実施をずらしたのではなく料金制度変更によるシステム変更に2ヶ月程度要するために実施が6月以降になったものです。

政府は、震災の二次被害を少しでも減らし、過度の自粛による日本経済停滞の影響を押さえようと口では言っていますが、実際にやっている事はこのように、観光や運輸へのニーズと意欲を極端に停滞させるような施策をやっているのです。

もう少し広く中長期的な視野で経済復興を図る政策を考えられる役人はいないものでしょうかね。

【追記】

NHKのニュースサイトによると、

「高速道路の無料化の社会実験と、休日1000円上限の料金割引を6月をめどに取りやめる」となっています。

無料化の社会実験もなくなってしまうようです。

「第1次補正予算の財源として、これにより3500億円を確保する」そうです。

記事の内容によると、

「高速道路無料化社会実験は、今年度に計画されていた6区間を実施しない他、現在実施されている37路線50区間の実施を6月をめどに取りやめ、さらに夜間のトラックを対象とした一部区間の無料化も実施を見送る」

「高速道路料金はほかの割引の扱いも検討し、今後具体案を策定する」ようです。

1000円上限だけでなく、その他の割引制度も順次見直し=廃止していくようです。

今回の上限制、無料化実験、割引制度はもともと期間限定の制度だったので、いずれ廃止されるのは予想されたことですが、経済復興が必要とされるこの時期に実施するには、確保される財源の規模と影響されるマイナス効果を考えるといかがなものかと思われます。

【追記2】
あいかわらず、「1000円高速、6月中止」のキーワードでこの記事に来られる方が多くいらっしゃいます。

それだけ皆さん、情報を求めているんでしょうね。

それなのに「国土交通省のWEBページ」にも、政府の発表にも、その後具体的にどういう内容で実施、廃止するのかの情報がまったくなされていません。

なぜ、これほど情報を出さないのか不思議でなりません。

まだ決定していない事もあるのかもしれませんが、一般ドライバにとっても、周辺の観光地や店舗にとっても、あるいは他の交通機関の運営会社にとっても、6月以降の高速道路の料金体系によって外出の費用の予定や、お店の仕入、旅館の予約予測、交通利用客の見込み等、いろんな所の予測に関わってきます。

私のこんな少ない内容のブログ記事ではなく、政府なり国土交通省からの一日も早く正式な発表をして欲しいものです。

【追記3】
その後、まだ正式発表はないですが、いろいろな情報を見てみると、だいたい次のようになりそうです。

 ・休日1000円上限の廃止は、現在ETCシステムの変更を行っている段階で、今の所「6月中旬の週末」に実施される予定が濃厚です。

  これは当初、「6月末に終了する」という予定だったようですが、システム変更作業が最初のスケジュールより順調に進んでいるため、廃止時期を前倒しにするらしいです。

 ・無料化実験(全国37路線50区間(約1600キロ))に関しても同様で同じ時期に実験を終了、すなわち有料に戻りそうです。

 ・それ以外の休日割引や時間帯区分による通勤割引等については、当面継続される可能性が高そうです。

今のシステム変更の目途がついた段階で、正式な実施時期についてのアナウンスがある予定です。

さらに、国土交通省は6月から、東日本大震災に対応した東北地方の高速道路無料化を検討しています。

具体的な内容は発表されていませんが、被災者が東北方面の高速道路を通行する際の料金を無料にするという事ですが、高速出口で「罹災証明書と運転免許証」を提示すれば、「無料化対象以外の路線が含まれている場合も全額無料とする」というものです。

ただしシステム的に対応出来ないのでETCでは適用されず現金払いに限定するとか、運転者でなく同乗者(例えば高齢の非運転免許保有者や免許紛失者)の場合はどうするか、など課題は多いようです。

【2011/5/24追記】
このブログに、次のようなご案内をいただきましたので引用させていただきます。

今週一週間、国交省では、以下のページで1000円割引等に関する意見募集を行っています。

http://www.ribenzoushin.jp/
https://www.ribenzoushin.jp/survey/index.php?sid=54367&lang=ja

最近は、こういうパブコメに対して意見を述べる事が非常に重要と思われます。(一人ひとりの意見が重要なのではなく、こんなに沢山の人がXXに賛成している、という理由づけに使われます。)

もしよろしければ、10分もかからないで応募できるとおもいますので、是非、意見を申し述べて頂けると嬉しいです。一週間しかありません。また、是非沢山の人に紹介して意見を述べてもらって頂けると嬉しいです。

休日1000円を廃止しないでほしい、平日上限2000円を導入してほしい、と書いて、そう思う理由を簡潔に書くだけでよろしいかと思います。

よろしくお願いします。

【2011/6/1追記】
国土交通省は5月31日に、今まで実施してきた高速道路の土日祝日の1000円上限の料金制度と無料化実験を6月19日をもって終了すると発表しました。

したがって6月20日の0時から、従来の料金体系に戻る事になります。

その一方で、今回の東日本大震災の被災者が東北地方の高速道路を利用する場合の料金を、同じく6月20日から無料化すると予定です。

実施にあたっては、各自治体が被災者の方に発行した証明書を料金所で提示する事で運用するようです。

これらの施策は、「復興財源確保」という点では異論は少ないでしょうが、実際には高速道路を利用する観光、運輸への影響はかなり大きなものとなると想定されます。

せっかく解消しつつある行き過ぎた「自粛」の中でも観光の控えや、中小企業に重くのしかかる運送費の圧迫は深刻となるでしょう。

また、東北地方の高速道路の無料化についても、正しく公平に実施されるか疑問の声が多く聞かれます。

「被災証明書」の貸与や売買、被災された方をドライバーとする運送会社とそうでないところとの格差等、さまざまな課題を残してのスタートとなりそうです。

※ 今回のこの発表も、ニュース等ではいち早く報道されていますが、6月1日の朝現在でまだ国土交通省のHPにはこの件についての記載が見あたりません。

(ひょっとしたら、どこかに掲載されているのかもしれませんが、私には見つけられませんでした)

コメント

  1. おくさん さんへ、
    財源確保は重要ですが、
    その効果と与える影響を考慮していないのがなぜなんでしょうか。
    誰が考えても観光と運輸に関して、大きな妨げになるとわかるのでしょうに。
    他に何もないなら仕方ないですが、
    まだまだ無駄使いがあるんじゃないですか、閣僚・官僚のみなさん!

    DON さんへ、
    時間帯割引は残るとおもっていたので、
    ETCのメリットはあると思いましたが、
    NHKニュースによると、それも無くなってしまいそうですね。
    それでも料金所で手間取るよりはかなり楽です。
    今、たまに現金しか使えない有料道路や駐車場入り口で
    バイクに跨ったまま財布を取り出すのはずいぶん面倒に感じます。

    n066tsuka さんへ、
    大畠国土交通相は「大震災で被害を受けた地域や被災者の救援に
    予算を使うことに大方理解を頂いている」との認識を示した。
    「震災復興のため」と言われれば、表だって反対する事は出来ませんよね。
    そこに付け込んでいるよう余計に頭にきます。
    被災地から離れているツカさんのお店でも
    やはり影響があるんですね。
    やっと国民の間には過剰な自粛を辞め、
    普段通りの生活をして経済を回そうとしているのに、
    高速料金の後戻りや、復興税という名の消費税増税で
    せっかくの消費意欲、活動意欲を大きくそぐ事が
    どれほど日本という国の力を失わせるか、
    まったく分かっていないようです。
    >ガソリン税と消費税の二重取り
    それにもともと建設から一定年度経ったら無料になる筈の高速道路、
    この国の政治家のやる事は、計画性もなく信用出来ません。
    それなのに「計画停電」「計画的避難地域」
    名前倒れ以上に不満爆発の施策です。
    >僕は毎朝、『頑張ろう日本、頑張ろうオレ!!』なんて言いながら、朝の仕込みしてます。(^^)
    それ、いいですね。
    せめて朝のスタートくらい、自分でカツを入れてがんばりたいですね。

  2. 国民の意欲を損なう行為が、好きなのでしょうか、政府の方々は。
    先ず、政治家の給料を減らす事って、出来ないものでしょうか?

    この震災の自粛ムードで、観光地が悲鳴を上げています。
    現に、小さなうちの店でさえ、震災後は客足減、、、
    周りでは、辞めて行くお店も、チラホラ出て来てます。
    震災復興はもちろん、国全体を復興して戴きたいですね。

    ガソリンも、ガソリン税と消費税の二重取り、、、
    あぁ、、、不満を言い出したら、キリが無いですね。(^^;

    僕は毎朝、『頑張ろう日本、頑張ろうオレ!!』なんて言いながら、朝の仕込みしてます。(^^)

  3. あらら・・・
    せっかくETC付けたのに!これはこれで、楽ですけど。。
    まぁ仕方がないんでしょうが。北海道は今まで高速を利用したことのないお年寄りや運転の未熟すぎる人たちが高速を利用して事故やトラブルばかり起こしていました。これでこれからは少なくなるかもしれませんね。

  4. これには、驚きました。
    観光の自粛ムードもおさまってきたのに、
    どう考えても逆効果!!
    他に見直すもんあるでしょうに~!!

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