ハーレーのツアーパックのストップランプをLED化

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ハーレーのリアに載せているキングツアーパックには、コーナーにテールランプとストップランプを組み込んだ「コーナーランプユニット」を付けてあります。

このランプは電球タイプなので明るいのはいいのですが発熱が凄くてソケットの取付部が一部溶けてしまっています。

渋滞や信号待ちで一定時間ブレーキを掛けたままにしておくとストップランプが点灯し続けている訳なので心配になります。

前から気になっていましたがようやくLEDに交換することにしました。

ただ自動車では、自己判断で電球をLEDに交換した時に異常が発生することがあるので躊躇していました。

一番わかりやすいのはウインカーで、オレンジ色のLEDに交換しただけではハイフラッシャー状態になることあります。

そのため三菱自動車のホームページでは「市販LEDバルブ装着についての注意事項のご案内」のページもありますね。

http://www.mitsubishi-motors.co.jp/support/recall/others/tenken/detail_027.html

ただ、国産バイクほどの警告灯などのないハーレーなどではそういったレポートはあまり見かけませんでしたので今回、LED化してみました。

 

購入したのはネットで評判のよかった「まめ電」の「S25 LED ダブル レッド 赤色 テールランプ ブレーキランプ 30連SMD (金口 ダブル球) LEDバルブ2個セット BAY15d ピン角180°段差あり」です。

このタイプのハーレーで使われているストップランプはS25タイプでストップとテールの二つのフィラメントが封入されて底面には二個の端子があるダブルタイプです。

取り付け用の金具のピンは対角(180度)の位置に二つ、高さが違う(=段差がある)ピンが付いています。


 


ネットで注文してから4日目に商品が届きました。

 

待っている間に、ツアーパックのコーナーランプのテールランプだけをオン・オフする中間スイッチの配線を作っておきました。


 

明るい日中に走行する時はバイク本体のリアフェンダーに付いているテールランプだけが点灯していればいいので、ツアーパックの方のテールランプは必要ありません。

でも暗くなってからの走行だとテールランプがあった方がいいのでオン・オフが切り替えられるようにしてみました。

(でも結局このスイッチは後で書いておきますが、オフのままになりそうです)

 

ツアーパックのインナーケースを取り出して作業開始です。


 

このツアーパックは中古で購入しましたが最初から左側のランプソケットの下に、電球の熱で溶けた跡があります。

火災にならないでよかったと思えるほどです。


 

私が使い始めて6年ほど経ちますがその後は特に拡大している様子はありません。

 

ランプを交換した後で点灯させながらチェックをする時に、エンジンを掛けずにヘッドライトまで付けておくのは無駄なので、ヘッドライトのユニットを開けて配線を外しておきます。


 

電球と比べてみます。

全長は電球が46.2mm、購入したLEDの方は47.0mmですのでほぼ同じと言えます。


 

ツアーパックの方は奥行きが67.5mmあり、ソケットと口金部分の長さを考慮しても余裕があります。


 

 

取り付ける前に点灯状態と発熱温度、電流をチェックしてみます。

まずは明るさの確認です。

無点灯状態


 

テールランプのみ点灯状態

LEDの方は上部と周囲全体が光っています。


 

ブレーキを掛けてフル点灯させた状態

電球の方はかなり明るさに差がありますが、LEDの方はテールだけよりは明るいものの大きな差がないようです。


 

参考までに、国土交通省が出している「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(2015.06.15)の別添70(制動灯の技術基準)」の「3. 一般規定」には、

 3.3. 二輪自動車等に備える制動灯は、次の基準に適合するものでなければならない。
 3.3.1. 制動灯は、昼間にその後方 100mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。
 3.3.2. 尾灯と兼用の制動灯は、同時に点灯したときの光度が尾灯のみを点灯したときの光度の5倍以上となる構造であること。
 3.3.3. 制動灯の灯光の色は、赤色であること。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_070_00.pdf

と規定されているように「ブレーキを掛けた時のストップランプは常時点灯しているテールランプの5倍の明るさ」が必要です。

LEDの方は5倍の明るさが出ていないようで、ブレーキを掛けたかどうか後続車が気づいてくれるか少し心配です。

そのため、普段はテールランプは点灯させずに、ブレーキランプのみ作動させた方が良さそうです。

「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(2017.02.09) 別添53 二輪自動車等の灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の技術基準」では、

5.16. 補助制動灯

5.16.3.1. 補助制動灯の数は、1個であること。ただし、5.16.3.3.ただし書の規定により車両中心面の両側に1個ずつ取り付ける場合にあっては、この限りでない。
5.16.3.2. 補助制動灯は、その照明部の下縁の高さが地上 0.85m以上であって、制動灯の照明部の上縁を含む水平面以上となるように取り付けられていること。
5.16.3.3. 補助制動灯の照明部の中心は、車両中心面上にあること。ただし、自動車の構造上その照明部の中心を車両中心面上に取り付けることができないものにあっては、照明部の中心を車両中心面から 150mm までの間に取り付けるか、又は補助制動灯を車両中心面の両側に1個ずつ取り付けることができる。この場合において、両側に備える補助制動灯の取付位置は、取り付けることのできる車両中心面に最も近い位置であること。
5.16.3.4. 補助制動灯は、尾灯と兼用でないこと。
5.16.3.5. 補助制動灯は、制動灯が点灯する場合のみ点灯する構造であること。

こうあるので実際にはバイク本体にある「制動灯」以外のハイマウントストップランプ等の「補助制動灯」は追加出来るのは一個までのようですね。

また「補助制動灯は、尾灯と兼用でないこと」とあるのでテールランプと同じユニット内にあるモノは不可なのでやはりテールランプを点灯させることは出来ないようです。

 

ところでストップランプの発熱はどうでしょうか。

電球の方は、フィラメントでは何と180度、その周囲のガラスでも80度以上になっていました。


 

一方のLEDですが、よく「LEDは熱を発しないから熱くならない」と言われる事がありますが確かにLED自体はそれほど発熱しませんが駆動させる回路部分は熱を発します。

今回のテストでも基盤の方は38度を超えていました。

それでも電球に比べればはるかに温度は低く、ソケットやユニットの熱による障害は心配する必要がなくなりました。


 

 

次は電流チェックです。

テール電球だけを点灯させた時の電流は、0.5A


 

LEDだけを点灯させた時はその約1/10の0.06Aでした。

消費電力は6Wから0.7Wへ減りそうです。

ブレーキランプの方も同様なら23Wから3W程度になるでしょう。

これならバッテリーへの負担も少なく済みそうです。


 

 

最後にすべて組み込んで点灯させた状態を見てみます。

まだ明るい時に交換作業をしたので、デジ一でシャッタースピードと絞り、ISOを調整して光量を落とした画像になっています。

左側は従来からの電球、右側だけLEDに交換してあります。

ツアーパック上のあるキャリアにもLED式のハイマウントストップランプが組み込んであります。

まずは無点灯状態


 

テールランプだけを点灯させた状態

電球とLEDの光量の差はそれほどなさそうに見えますが、実際にはもう少し差がありその代わり広範囲に光っています。


 

ブレーキを掛けてストップランプを点けた状態

左側の電球に比べると明らかにLEDの方は暗く、テールランプだけとの差がそれほど大きくないのがわかります。


 

運送法規の規定もあるのでやはりLEDをテールランプとするのは無しにした方がいいようです。

 

最後に外しておいたヘッドライトを元にもどすのですが、せっかくの機会なのでライトユニットのガラスの内側の曇りを拭いておきます。

火であぶって軽く曲げたプラ棒の先に重ねて束ねたウエスを巻きつけた棒を用意します。


 

ヘッドライトケースの後ろから電球を外して、その穴からこの棒を差し込んでガラス面をこすると白っぽくくすんでいたガラスがクリアになります。

多少曲げてあるので内側にある反射板に邪魔される事なくガラスの中央から端の方まで磨くことが出来ます。


 

さあ、これで夜間出発の北海道ツーリングでも明るいライトで走行できます。

 


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