50年前のノギスケースを修理

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ノギスマニアという訳ではないですが、手元にノギスが4本ほどあります。

今でも3Dプリンターでなにかをつくる時、モデルとなるもののサイズを正確に測りたい時には活躍してくれます。
一番左のはジュエリーやアクセサリーを扱っていた時に仕事で使っていたもの。
その左はもう少し長いのでレザークラフトやカンタンな模型製作等向けでした。
この二本に関してはケースがなかったので革で自作していました。
三番目のが一番正確に測れるもので、ノギスマニアの方(?)ならご存知でしょうけど、中村製作所のカノン、フィットフィンガーノギスです。
正確な年数がわかりませんがたぶん50年くらい前のものかと思います。 これは刻印の打たれた革製のケースに入っていますが、後期のモデルはビニール製のケースでした。

このノギスの特徴はJIS規格1級で、ロックネジが上ではなく下についています。 そのおかげで内径を測る時にじゃまになりませんし、計測物に当てた後親指をスライドさせてロックできるようになっています。

ちなみに一番右にある白いプラスチック製のノギスは1mm単位でしか測れませんが、屋外でパイプなどを簡易的に測るのに便利です。

このフィットフィンガーノギスの革製ケースですが縫い目がほとんどほつれてケースの体をなしていませんでしたのでこれを修理しました。
まずは縫穴に残っていた糸の残りをひとつずつ毛抜で外していきます。
そのあとはレザークラフトの平縫いの要領で手縫いで直していきます。
もともとはミシンで縫っていたようですが、穴の間隔は均一でないのでそれとわかります。

糸の色はオリジナルのものに近いものを使って、自作したレーシングポニーに挟んで作業します。

このポニーは脚の幅を狭くつくっていますのでじゃまになりにくいのと、作業を途中で止める時に針をやすめるマグネットを付けてあります。

最初と最後を巻きかがりでしっかり固定した後、炙りどめで糸を処理して完成です。

これでケースとして使う分には問題ないのですが、よくみるとコバがかなり傷んでいるのでこれも直しておきます。

まずはニ枚の革の段差をヤスリで削って平らにします。 さすがにここまで古い革だとちょっとヤスリを当てただけでボロボロ削れてきます。

さらにコバの側面にヤスリをかけ、断面を半丸に加工します。

今回はコバに水をつけずにこのままトコノールで保護艶出しの処理をします。

そういえばSEIWAさんのトコノールも一時は購入できませんでしたけど、また販売されているようで安心しました。

最後にピュアホールオイルを塗ってしあげて完成です。
これでまた長くつかうことができるでしょう。

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