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ゲンのいた谷

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少し前に戦争の悲惨な体験を描いた「はだしのゲン」という作品がいろいろな意味で話題になりました。
私にとっては戦争を描いた作品の「ゲン」といえば、こちらの「ゲンのいた谷」(1968年初版)という小説のほうになります。

ゲンのいた谷

小学生のころに夏休みの課題図書になったので一度だけ読んだ記憶があります。
私と同年代の方の中には同じようなきっかけでこの本に触れた事のある方もいらっしゃるかと思います。
四十数年経ってもその内容の一部を鮮明に思い出す事があります。

もう一度読みたくなって、ネットや本屋、古本屋などを探してみましたが、だいぶ前に廃刊になっているために手に入れる事が出来ませんでした。
ようやく見つけたのが図書館でした。
貸し出しを受けて、電車の中で読むのに便利なようにとスキャナで全270ページ以上を読み込んでNexus7のタブレットで読んでみました。

  ※ 今でも図書館を探せば扱っているところもあるようですね。
  ※ 図書館の蔵書検索サイト「カーリル」は、コチラ です。

内容をご存じない方(の方が多いですよね)のために簡単なあらすじを書いてみます。
もうなかなか手に出来ない本の内容なのでネタバレになってもいいですよね。

「小学生の男の子がお父さんに連れられて湖を見下ろす場所に建っている古いお寺にやってきました。
その場所は昔、戦争中に疎開していた先だったそうです。
男の子がお寺の境内の中を回っていた時に、土蔵に書かれた怪獣のような落書きに「うめぼし」と呼ばれました。
その怪獣=ゲンは昔、疎開してきた男によって書かれたトモダチで、当時のうめぼしなる男の子の疎開生活を今の男に聞かせる形で話は進みます。
男の子のお父さんはスパイ容疑が掛けられてその子は「スパイの子=すっぱい=うめぼし」と呼ばれて仲間ハズレにされ、その寂しさ悔しさをゲンというトモダチの支えでがんばってきました。
そんな疎開先のお寺での生活を続ける中、最後にその子は脱走して都会に戻ってしまいそれ以来二度と来なくなってしまったそうです。
そこまで話をした時、お父さんがやってきました。
お父さんこそその「疎開の男の子=うめぼし」だったのです」

そんな内容です。
大人になって今読み返してみると、少しもの足らなく感じるところもありますが、小学生だった当時は疎開というものの生活を少しは感じる事が出来ました。
この本が出て課題図書になった頃、私が小学生だったのは終戦からまだ二十数年しか経っていなかったのですね。
戦争が終わったのは私が生まれるほんの12年前の事です。

今、この本は再版されることも本屋に並ぶこともなくなってしまったという事は、今の子供たちいえ大人たちにもこの作品を通じての世界観を伝えるすべがないという事なんですね。
でも子供の頃にこの本に触れた私には、そしてもういちど手にして読んだ今でも、いろんな思いがこころに残っている、そんなすばらしい作品だと思います。

作者の長崎源之介氏は2011年に亡くなられたそうです。

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