この時期はツーリングに出かけても気温が低いのでエンジンの熱ダレの心配はありませんが、春から秋にかけてはエンジンが高温になるので心配です。
特に大排気量なのに空冷エンジンのハーレーはなおさら気になります。
また大きなサドルバッグを装着してあるヘリテイジなどではリアのディスクブレーキの放熱性が悪く、これによってブレーキディスクが変形してしまい交換した事がありました。
こういった事があるのでエンジンやリアブレーキ周りの温度を知りたくて温度計を購入しました。
一般的な温度計、例えば棒温度計などは温度を感知する部分を被検体に接触させ、熱伝導で同じ温度になったものを測定するので時間がかかったり正確でなかったりします。
今回購入したのは測りたいものに接触させる必要のない「非接触式 赤外線放射温度計」です。
昔は数万円もした測定機器ですが今ではネット通販で2000円を切る価格で出ています。
私が選んだのは「サインソニック 非接触式 赤外線放射温度計」
赤外線放射式の温度計で格安品と高級品の性能の違いとして「測定出来る温度範囲」のほかに「距離係数」というものがあります。
これは「どれくらい離れた時に測定する範囲がスポット的なのか、広範囲なのか」を示しています。
いくらレーザーポインターがあってもここの温度をピンポイントで測っているのではなく、その周囲の円範囲の中の平均温度を測定しているのです。
それがどれくらい広がっているかを表しているのが「距離係数」で、この機種の場合には「距離係数:D:S=12:1」となっています。
(※ 本体に貼ってるシールには「12:1」とありますが、添付の取扱説明書には「12:1」「8:1」の二種類の記載があります。 結構いい加減?)
これは「測定距離が120cm離れた場所の測定領域直径が10cmの範囲を測定している」という事になります。
測りたいモノとの距離が36cm離れているのなら直径3cmの円の範囲内の平均温度、距離が30cmなら直径2.5cmの範囲」になります。
格安のペン型赤外線放射温度計ではこれが1:1という機種もあり、これだと1m離れると直径1mとなるものもあります。
ほかにも注意点としては、
・測定しているのは物体の「表面温度」なので内部が高温でも表面が気温によって変化している場合は、中の温度はわかりません。
具体的には液体をはかろうとしても液体内部の温度はわかりません
・鏡面、メッキ面のように反射率が高いものの場合、表面温度が正しく表示されない事があります。
ネットで平日の夜注文したら翌日には届いていました。
アマゾン、早っ!
ちゃんとした箱に入っていたのは、「本体」「角型9V電池」「取扱説明書(日本語あり)」です。
電源は角型9V(昔の人間なので006Pと言った方がわかりやすいです)で、測定出来る範囲は-32度から+380度までと普通に計測する分には十分なものです。
グリップ部分が下部を支点にパカッと開くのでここにケーブルを挟まないように注意しながら電池をおさめます。
ディスプレイ下の三つのボタンは左から順に、「摂氏とかっしの切り替え」「レーザーポイントのオンオフ」「ディスプレイライト(青色)のオンオフ」です。
使い方は簡単です。
電源ボタンなどはなく、グリップのところを握ると測定開始です。
このグリップスイッチは、ストローク(スイッチの深さ)が浅くちょっと頼りない感じでした。
この時レーザポイントが「ON」になっていれば赤いポイントが表示されます。
グリップを握ったまま測定ポイントを動かすと、測っている温度表示も変化します。
スイッチを離すと測定値が固定表示され、数秒後に表示が消え電源もオフになります。
レーザーポインターが付いているので測りたい場所を狙いやすいのも使い勝手がいいですね。
といっても明るい昼間だと少し離れると薄くて見えづらくなります。
実際にはレーザーポイントが指している地点ではなく、その少し下を測定しています。
それはこの動画を見ていただければ、レーザーポイントが指に掛かっても手の温度を測定していないという事でわかります。
沸騰しているお湯を測定してみましたが、100度にはならずに少し低めの温度になっていました。
これは実際に100度になっていないのか、表面の平均温度を測っているせいなのか、あるいは赤外線放射温度計の問題点としてメッキや鏡等の反射物だと正確に測れない事があるせいなのかは不明です。
ここからが購入した目的のバイクエンジン温度の測定結果です。
先日のツーリングで出かけた際にハーレーのエンジンやエキパイ、マフラーなどのいろんな所の温度を測ってきました。
まず、走行前の冷え切っている時のエンジンの温度は、10.8度です。
その後1時間以上走ってきた後では、
・カウリングに付けた温度計で気温12度だったこの日、日陰の路面温度:6.4度、陽の当たる路面温度:18.4度
フロントタイヤ表面温度 : 32.4度
後ろ側エンジンエキパイ温度:267.2度
後ろ側エンジンシリンダー部温度:152.6度
前側エンジンシリンダー前:117.8度
前側エンジンシリンダー:101.9度
エンジンブロック前側:102.0度
やはり走行風が当たる前側エンジンと風を受けない後ろ側エンジンではこれだけ温度差があるんですね。
そして足が一番熱く感じる、後方エンジンのエキパイをグルッと取り回して左から出したところのエキパイですが、
エキパイ温度:73.7度
自作したレザーでのカバーの上:35.2度
冬の寒いときにカバーをつけてもこれだけの温度があるので、真夏の渋滞時にはもっと温度は高くなっているんでしょう。
これだから水ぶくれも出来てしまうのでしょうね。
走行後、いろんな場所の温度を測っているウチに気温が低いのでエンジン各部の温度が下がってしまったかもしれません。
今月中にはハーレーのエンジンに電動ファンを取り付ける予定なので、そうなると走行後にやけどしそうなほど熱くなるエンジンやエキパイ温度がどれくらいにおさまるか、また前後エンジンで差があるのがどうなるかが気になるところです。
コメント
DON さんへ、
おめでとうございます。
やはり皆さん、すでにお持ちだったんですね。
私は最近までこういうモノの必要性がわからなかったんですが、
使ってみたらとても便利でいろんなものを測っています。
ずいぶんと安くなっているので購入検討されてみてください。
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します
良いですね)^o^(使えそうな感じです。以前私が使用していたものは2万超えのモノでした。
今では使わなくなりましたが、今後、仕事でも使用する機会が増えそうなので検討します(^_^;)
イサカ さんへ、
先輩は何年も前に既にお持ちだったんですね。
機能や価格はだいぶ変わったようですね。
エンジンがどれくらい熱くなっているか、
メカが気になる人には必須のグッズです。
メカ好きおじさんへ
同じようなもの、私も持ってます。
5年位前だったので5~6k¥ぐらいだったか。
レーザポインタ等付いていない極シンプルなものでした。
やはり空冷のエンジンの温度を測ろうと思ったのがきっかけです。
同じですね。
@イサカ