生産者から見たTPPと消費者から見たTPP

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最近のニュースでは連日のように「TPP」問題が取り上げられています。

TPP、環太平洋戦略的経済連携協定の問題は各国政府間で関税の取り扱いの問題ということで私たち庶民とは少し離れた議論のように思えます。

ニュースでは、TPPの関税を死守するのは「日本国における農産物の自給率を維持するため、農業、畜産農家を守る」ことにあるように言われています。

これはこれで何となく納得出来る理由だとも思えます。

確かに食料自給率が低くなるのは好ましいことではないでしょう。

でもすでに問題となっている農産物の中には、国内自給率が著しく低いものもあります。

関税を維持するだけで守れるのでしょうか。

生産農家の方にとっては、安い外国産の農産物が入ってくるのは競争激化にさらされることになるので、ここはなんとしてもがんばって欲しいところでしょう。

でも農産物以外の業界は、自動車など同じく関税で守られている産業もありますが、外国・国内を問わず絶えず競争にさらされ、それを乗り越えるために自助努力として生産物の品質向上、付加価値の醸成、コスト削減など生き残りをかけてがんばっているところがほとんどでしょう。

町の工場、小さな商店だって、いろんな「競争」に立ち向かっています。

 

ところで話題になっている、「農産物五品目の関税率」はどうなっているのでしょうか。

 牛   : 38.5%
 バター : 360%
 コメ  : 778%
 小麦  : 252%
 砂糖  : 328%

一番少ない牛でさえ4割弱、一番多いコメに至っては元の8倍弱もの関税が掛けられて市場に出てくるわけです。

もちろんこの関税率がそのまま市場価格に反映される訳ではないでしょうけど、多少なりとも価格に上乗せされて販売されているものの価格は、最終的に負担しているのは誰でしょう。

もちろん私たち「消費者」です。

私たちは政府ががんばって死守しているTPPの関税のおかげでそれだけ高い輸入品を購入していることになります。

何も牛肉やコメという直接的な商品だけでなく、小麦を使ったパンやうどん、パスタ、フライなどの加工物やレストランなどの価格にも反映されているのですよね。

それが本当に「日本という国の国民」にプラスになるのでしょうか。

マスコミの情報ではこういう「消費者生活から見たTPP」の議論はあまり語られることはありません。

あくまで「生産者」の側にたって、「政府の立場」らの議論ばかり聞こえてきます。

 

品質のしっかりした「国産品」と価格の安い「外国からの輸入品」、消費者にとっては選択肢が多くあればどちらを重要視して購買行動をするか、選べばいいと思います。

ネット販売の脅威にさらされてもがんばっている小売店や、海外の安い労働力で作られた工業製品に立ち向かう国内生産の製品工場、選択されるユーザーの判断に任せられていて、決して政府は保護政策を取ってくれてはいません。

 

TPP問題はもう一つ、政府と官僚の利権につながります。

当然ですが高率の関税を掛けていればそれだけ「税収入」が入ってきます。

収入源があれば行動を起こすのに「発言力」があります。

一度手にしている税収入が無くなる、あるいは少なくなるのは、お上としては何としても防がねばならないのでしょう。

 

TPPの問題はほんとにこれだけの事なのか、もっと奥深いナニかがあるのか、私にはよくわかりません。

でも本当に「国民生活のためをおもって」という政府の対応がされているとは思えないのです。

国民に対してもっとわかりやすい説明をして欲しいものです。

ひょっとしてわかっていないのは私だけなんですかね。

 

コメント

  1. DON さんへ、
    今の生産者の皆さんは、生き残りをかけて
    知恵を絞って工夫、改革を進めています。
    ネット販売に進出したり、付加価値や差別化を図っています。
    昔決めた「関税」「補助金」という
    簡単に手に入る方法の利権を手放す筈はないですね。

  2. メカ好きおじさんへ
    全くです。北海道の農家の友人らは自分らで販売方法を見つけて直売を考えているんです!しかし、それを進めようとすると横槍が入るんです(^_^;)
    北海道の有名な農家の頭を押さえている企業?組合です。
    組合自身の給料や会社の運営費すべてを税金や組合費から取り、預貯金の利益さえも人件費に充ててしまうという所は無くなってしまえ!とばかりに農家さんは訴えていますよ。

  3. DON さんへ、
    コメントありがとうございます。
    この問題に関しては、
    北海道にお住まいで周囲に畜産農業関連の方がいらっしゃる
    DONさんのお考えをお伺いしたいと思っていました。

    たしかに日本の農業や畜産業が減っていくのは
    好ましいことではないのは誰でも思っています。
    でも他の仕事をしている私たちからすれば、
    政府が税金を使って、競争相手の商品に対して
    何倍もの価格に吊り上げてくれれば、
    競争にも勝てるでしょうし、売上が少なくても利益率は大きくなります。
    その為に「選挙で投票する」こともあるでしょうし、
    結局はその補填した税金は私たちが納めるものですし、
    買っていただく消費者に対して、あえて高い価格で提供していることになります。
    これが「国策」と言えるのか、わからない事がおおいです。

  4. 実は、私の頭の中も同じような考えです。
    北海道は特に感じます。
    農家の知り合いはやるならやればいい!と言います。
    私たち消費者は消費しなくては生きてはいけない。しかし、消費の税の問題は直接のしかかる消費者への負担でしかありません(-_-;)

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