2012北海道ツーリングVol3~オロロンライン(後編)、ノシャップ岬、稚内
今回の記事はツーリング二日目、北海道初日の7月5日(木)の後半部分です。
オロロンラインを快調に走ってきましたが、私的には夢で描いていた「標識もガードレールもなにもない」オロロンラインは、この先天塩から稚内の間の区間が、より一層その色合いが濃いように思っていました。
国道232号線の北上を続け、道の駅「てしお」でスタンプをゲットした後、すぐ先の交差点を左折して道道484号線に入ります。
この通りにはレンガ造りの立派な旧役場庁舎の建物を利用した、天塩川歴史資料館がありました。
すぐに海岸線に出る交差点を右折して北上、再び道道106号線のオロロンラインに入ります。
しばらくは左手に南北に流れる天塩川とその向こうの日本海を眺めながら走ります。
4キロほど進むと道は左にカーブして天塩川を渡りますが、その先に多くの風力発電の風車が見えてきます。
思わず期待が膨らみます。
川を渡って4キロほどで、オロロンラインの右側にそびえ立つ風車群がぐんぐん大きく近づいてきます。
言わずと知れた広大なサロベツ原野の中を走るオロロンラインに沿って浮かび上がる、オトンルイ風力発電所の風車群です。
南北3.1キロに渡って28基の風車が並んでいます。
オトンルイとはアイヌ語で「浜にある道」と言う意味だそうです。
ここで停まって写真を撮らないライダーはいないでしょう。
私の今回の北海道ツーリングの中でもお気に入りの「一枚」はコレです。
実際にココに行って写真を撮った方ならわかるかも知れませんが、実はこの写真では、風車の前にあった電柱・電線やノボリの旗は消しています。
記憶に残した映像はコチラの方です。
うれしさを表してみました(笑;
ここでは何枚も写真を撮りました。
名残惜しいですが先を進むと、ほんの少し先にこれまた有名なオブジェが現れます。
アルファベット斜体の「N」をかたどった「北緯45度モニュメント」です。
地球の北極が北緯90度、赤道が0度なので、そのちょうど中間にあたるのが北緯45度となる訳です。
この「北緯45度」は北海道を東西に横断している訳ですから、ここ以外にもオホーツク海側や内陸部にも「オブジェ」や「看板」はあります。
でも他のところはもっと地味なので、ここのオブジェが一番有名なようです。
私のブログでも、この後オホーツ海側のオブジェを紹介する予定です。
駐車スペースもあるので、バイクを停めて写真を撮りました。
私達の後にも、クルマに乗った方も写真を撮っていました。
でもさっきのオトンルイの風車群の所に停めて写真を撮っているのはツーリングライダーだけで、クルマの方は停まらずにみんな通り過ぎて行きました。
何もない道に、いきなりこんなシェルターが現れるのも北海道の道ならではですね。
走りながら日本海の向こうを見ると、うっすらと島影が見えます。
利尻島です。
本来なら利尻富士がその姿を見せてくれるのでしょうけど、あいにく今回は上の方に雲がかかってしまい、山の様子は伺い知る事が出来ませんでした。
次回(?)のお楽しみという事にしておきましょう。
この先には右手に広がるソロベツ原野の中に、ペンケ沼、パンケ沼があります。
よく、釧路市阿寒町にある双子のパンケトーとペンケトーと混乱されている事が多いようです。
どちらもアイヌ語の「上にある沼」「下にある沼」という意味です。
ずっと北上して走ってきましたが、ここで一旦右折して道道444号線を東北東方向に向きを変えます。
昨年2011年4月に出来たサロベツ湿原センターに寄ってきました。
泥炭採掘工場跡地にあると言うので大きな浚渫船(しゅんせつせん)が置いてありました。
1時半を過ぎていましたのでここで遅めのお昼ご飯にします。
それほどお腹もすいていなかったので軽めの、カニ爪と帆立の入った塩ラーメンをいただきました。
ここには周囲1キロほどの木道が整備され、湿原の一部を回遊出来るようになっていましたが、天気も今ひとつなのと疲れそうなので近くだけを散策しました。
湿原センターの広くてゆったりした駐車場に戻り、この先のルートを確認します。
このまま内陸に入り国道40号線を北上するつもりでしたが、ここまで海沿いのオロロンラインを走ってきたので、元来た道を戻って再び海岸線に出る事にしました。
どうもライダーの習性(というか私の習性?)として、ツーリングルートで同じ道を戻るのはあまりおもしろくないと感じ事があるようです。
でも今回はこの選択は正解だったようで、海岸施に戻ったオロロンライン、利尻水道はそれまでのオロロンライン同様に広大に開けたすばらしい景色を見せてくれました。
だってこんな景色ばっかりですよ。
走っているうちに雲も取れてきて、空の青さがあふれてきました。
しばらく景色を堪能しながら走ってきましたが、前方に建物と駐車場が見えてきました。
浜勇知展望休憩施設、こうほねの家です。
2時半を過ぎていました。
最初ここは、「船長の家」のような宿泊施設かと思っていました。
実際には、利尻礼文サロベツ国立公園内にある唯一の休憩施設で、平屋作りで中にはとパネル展示とトイレだけがある施設です。
建物外側の階段で屋上に登る事が出来そこからは天気が良ければ、日本海の向こうに利尻富士や美しい夕日が見られる絶好のビューポイントです。
「コウホネ」とは初夏から夏にかけては咲くスイレンに似た花の名前です。
このまま途中で右折した方が今晩の宿のある稚内には近いのですが、当然のように北海道西側の北の果て「ノシャップ岬」を目指します。
ここ、野寒布岬(のしゃっぷみさき)も、同じ北海道の似たような名前の「納沙布岬(のさっぷみさき)」とよく混同されます。
ノサップ岬の方は、根室市にある岬で離島を除けば日本の本土最東端にあたります。
このノシャップ岬も北海道ツーリングのレポートには定番的なところで、その突端にある公園のイルカの像がよく紹介されています。
時計も設置されていますので到達時刻も記録に残ります。
私達が着いたのは3時少し過ぎ、まだまだ日の入りまでには時間がかなりありますが、ここも夕日を浴びた時の景色が最高でしょうね。
ここで景色を眺めていると、荷物満載で旗竿を立てた二台の自転車を押してやってくる若者が来ました。
話しをしてみると一人はタイの方で、90日間の滞在ビザ中、88日間を使って日本各地を海岸線に沿って廻っているそうです。
さてそろそろホテルの方へ向かいます。
ここからは4キロほどなのでそれほど時間も掛からず稚内の街に着きました。
それまでの原野の風景や漁村といった集落とは違い、稚内は都会でした。
いきなりホテルに行く前に、稚内の象徴とも言える「北防波提ドーム」に向かいます。
北航路の道路の防波を目的に、昭和6年から5年を掛けて建造された総延長427m、高さ13.6m、柱の内側から壁まで8m、柱の総数70本の半アーチ式の構造になっています。
古代ローマ建築物を思わせるような太い円柱となだらかな曲線を描いた回廊のようなこんなモダンなドームが、そんな古くに造られたのは驚きです。
バイクと一緒の写真を撮ったあと、すぐ近くのホテルに向かいます。
今日の宿は「ホテルおかべ汐彩亭」です。
ビジネスホテル系ですが、観光客のお客さんが多かったです。
稚内というのは、最北の観光地という以上に、利尻島、奥尻島に渡る中継都市としての宿泊客が多いようです。
そして調べてみるとこの稚内という街でのホテルの評判は厳しいものが多かいという事実がありました。
施設内容、設備とサービスと料金のバランスについての評価です。
今回調べた中ではまずまずの評判だったこの「ホテルおかべ汐彩亭」を選びました。
建物は先ほどの北防波提ドームから歩いて数分、湾が一望出来る場所にあります。
ホテル前や裏手の駐車場は広くはないですが、フロントの方にお聞きしたところ入り口前のひさしのある場所にバイクを停めさせてくれました。
目の前の通りは夜間でもそこそこクルマの通りもあるのでイタズラ等も心配でしたので、持っていったチェーンとボディーカバーを掛けておきました。
部屋は三階の角部屋が用意され、北防波堤や湾の様子が良く見えました。
部屋はすごく広いというほどではないですが満足出来るもので、電波が弱いながらも部屋の中で無線LANも使えました。
ツーリング中の途中でのレポはここで書きました。
ビジネス系のお客様がメインなのかもしれませんが、館内一階には大浴場もあり、まだ時間も早かった事もあり貸切状態で使えました。
このホテルに来る前に街中を抜けて来た時に、すぐ近くでお祭りの縁日が出ているのを見かけました。
食事前に夕涼みがてら散歩に出てみました。
まずはさっきバイクで行った北防波提ドームにまた行ってみました。
このドームの上に登れるのかと思ったのですが、手前側の堤防の上でけ歩けるようになっていました。
今回は居ませんでしたが、ツーリングの最盛期にはこの中でテント泊をするツアラーもいるようです。
先の方にあるこんな場所を見かけると、やっぱりこういうポーズで写真を撮りたくなりませんか?(笑;
街に戻って縁日を見て廻ります。
若い人たちの浴衣姿もういいですね。
おいしそうなお店もいっぱい出ていましたので、夕食の予約を入れておかなければ、ここでいろいろ買い食いして廻るのも楽しそうだったねと妻と笑っていました。
すぐ近くにある稚内駅に行ってみました。
ガラス張りの超近代的な建物で、最北端の駅というより都会の駅そのものでした。
ここの駅舎は今年2012年4月に完成したばかりで、5月に道の駅「わっかない」が併設オープンされました。
稚内駅と言えば、北緯45度24分44秒の日本で最も北にある鉄道駅になります。
線路の最終端の写真です。
ホテルの戻り夕食です。
稚内はタコしゃぶが有名なので当然今回も出てきました。
これ以外にもカニや高級魚八角(トクビレ)の焼き魚もあり、まずまず満足したものとなりました。
部屋に戻ると北防波提ドームに電灯が灯っていました。
北海道での初日の夜が更けていきました。
(本日の走行距離:366km)
※ 走行ルートを記録するなら「GPSロガー」がお勧めです。
※ バイクでの走行動画なら「GoPro HD HERO」がお勧めです
※ 友人通しやタンデムでの会話なら高音質の「SENAインカム」がお勧めです
コメント
naka さん へ、
なかなか長編になってしまって、
テンポが悪くて済みません。
それだけ楽しさいっぱいだったと思ってください。
波止場でマドロススタイル、やりますよね、絶対(笑;
北海道のスケールの大きさ、
やっぱり他では味わえないものです。
バイクおやじ さん へ、
ブログの上でやっと二日目の前半まで書きました。
レンタカーで北海道に行けるなら、
バイクでもきっと可能ですよ。
夢はいつまでも抱き続けてください。
DON さん へ、
はい、DONさんが住んでいらっしゃる北海道、
そのほんのちょっとだけ、
それも楽しい時期だけ選んでつまみ食いさせていただきました。
オロロンラインは天塩から先が最高ですね。
先日、DONさんが行かれてブログに掲載された写真は、
道の駅「おびら鰊番屋」でしたね。
どうでしょうね?満足されたでしょうか??
このあとのオホーツク側のルートもとても良いのですが、オロロンラインもやはり我が家の毎年必ず走る道です。
何度走っても満足するのですが・・・すぐにまた走りたくなります。
ホンの数分の走りなのですが・・・この空気や景色や道の感触を感じたくなるんです!
やっぱりいいですねぇ、北海道。
まだ上陸1日目だというのに、既に北海道に行きたくてたまらなくなりました。
この先も楽しみにしています。
おはようございます。
ツーレポ編集お疲れ様です。(^^)
メカ好きおじさんはかなりお茶目ですね、それに本当に楽しんでいるのが
日記を読んでてわかりますよ。
道はまっすぐでその先に何があるんだろうかと読んでてワクワクします。
サァ~続きが楽しみ~。(^^)/