デジタル一眼レフカメラでレンズを上に向けて撮るのは、たとえば空の風景を撮る時、航空祭の飛行展示を撮る時、飛んでいる鳥を撮る時、夜空を撮る時など、けっこうあります。
そんな時、デジ一に高倍率のズームレンズを取り付けて、上に向けて撮影すると、重たいレンズの自重で自然に下がってきてしまって困ったこと、ないですか。
あるいは、デジ一を持って歩いている時、レンズを下に向けていると自重で鏡筒が下がってしまったこと、ないですか。
実際の撮影場面としては、水平より上の風景を撮影するときにレンズ前面に取り付けたCPLフィルターのリングを回そうとすると、右手をカメラボディを持って左手でリングを回す訳ですがその時にレンズが下がって勝手に画角が変わってしますのです。
プロやマニアが使うようなレンズでは、そんな事が起こっては困りますので当然対策もなされているでしょう。
また、入門用のデジカメのダブルズームキットなどに入っている望遠ズームでは、軽量化・コストダウンのためにレンズの枚数や厚みを減らしたり、鏡筒の強度よりも軽量化を重視した結果、レンズの重みがそれほどないので下がってくる事はないようです。
自重下がりの現象が起きるのは、その中間的な入門者用の高倍率ズームレンズの場合が多いのです。
メーカーのシグマに電話をして確認したところ、
・高倍率ズームの場合、レンズが多く重いので多少、こういう現象は起こりえる
・レンズを預かって調整して多少堅くする事は可能
・調整した後でもまた使っているうちに馴染みが出て緩まり、自重下がりが起きる可能性がある
・調整期間は預かってから1,2週間は見て欲しい
との事でした。
一旦は調整出来ても、また同じような症状になる可能性が高そうです。
今回はそんな困った時の対処方法です。
最初に考えた対処法は、レンズの下部に滑り止めのゴムシートを付ける方法です。
下の写真のように細長く切った厚めのゴムシートに、さらにもう一枚重ねてレンズの動く部分にこするように取り付けました。
重ねた方はより滑り止めになるように彫刻刀で溝を掘っておきました。
結果は、摩擦が小さすぎてダメでした。
次にやったのは、薄いゴムシートをレンズの廻りに巻き付ける方法です。
手持ちのゴムシートのストックの中で一番薄いものを2cmほどの幅に切って使いました。
長さはレンズの周囲をぐるっと回して、重なる部分の余裕を見てカットします。
重ねる部分は両面テープで留めるのが簡単ですが、使っているうちに伸びてきたり、滑り具合を調整出来るように極薄のベルクロ(メカニカルファスナー)を使いました。
これをズームレンズの鏡筒の根本部分とズームリングの両方に重なるように巻き付けます。
フォーカスの切り替えや手ぶれ補正スイッチの操作にも問題ありません。
もちろんズームリングの操作感も影響ありません。
裏からみたところです。
長い間にはすれて黒塗装や印刷されている文字に影響があるかもしれませんが、撮影には関係ない部分ですね。
それでは実際に自重下がりがどう改善されたか、動画でご覧ください。
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