FinePix SL300の比較撮影画像です

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この前の記事でネオ一眼の高倍率デジカメ、FinePix SL300 を購入した事を書きましたが、果たして実際に撮影した場合はどんな風に撮れるのか、テストしてきました。

 

少し撮影した上での感想は、「画質はコンデジ並ですが、ワイドから望遠までカバー出来て最高」です。

 

■デザイン
ミニ一眼レフ風ですが、ボタンが小さくスキマが目立ち全体的には高級感は少ないです。
でも持ち歩いていてもコンデジよりは、「それ風」なので気に入っています。

 

■画質
しょせんはコンデジと同じサイズの撮影素子ですが、レンズのおかげでそこそこの画が撮れます。
望遠端でもけっこうはっきりしています。
全体の彩度はほんの少し薄めかもしれませんが気になるほどではありません。

 

■操作性
マニュアルを一通り読めば、十分理解出来ます。
起動はそんなに早く無いですが、イラつくほどではありません。
ホワイトバランスなどそれぞれの機能のボタンが独立しているのは便利ですが、小さくて押した時の感触が頼りないのは価格相応だと思います。
モード切替ダイヤルのクリック感はカッチリしています。
ボタン一つを長押しするだけでマナーモード(シャッター音オフ、操作音オフ、ストロボオフ、セルフタイマー表示オフ等)になる機能は便利です。

 

■バッテリー
まだ正確なデータは取っていませんが、200枚撮ってもまだ余裕があります。
バイクツーリングやドライブで1日に300~400枚撮影しますが、撮影に出る時は他にもコンデジを二台持って行きますので1日分は大丈夫そうです。
それだけの撮影枚数を撮るので、私は乾電池仕様より充電池の方でないと困ります。

 

■携帯性
デジ一も持っていますが、それより小さいながらさすがに大きさと重さはあります。
特に重さは気になります。
このサイズの汎用品のカメラケースが無いので、鞄に入れて持ち歩く時用に自作しなければならなくなりそうです。

 

■機能性
最近の安価なコンデジには無くなってしまったマニュアル設定があるのは便利ですが、F値が大きいので選べる範囲が少ないのが残念です。
ズームレバーが二カ所にあるのは便利ですが、無ければ無いでいいかなと思います。
電源のオンオフを操作してもすぐに反応しない時があります。

 

■液晶
解像度は期待出来ませんが、特に困るという訳でもありません。
ただ画面の中に各種情報表示が大きく出るので、対象物が見えにくくなってしまいます。
EVFはかなり荒く周辺もかなりゆがんでいますが、高倍率ズーム機には顔に付けて安定させる目的もあるので多用しています。
デジ一のように、顔を近づければ自動的に切り替わるほうが便利です。

 

■ホールド感
グリップの形状や質感、握った感触からホールド性はいいと思います。
シャッターやボタンの位置も最適です。

 

■その他
カメラの画質を決定する大きな要素は、撮影素子の大きさとレンズ構成、それも枚数以上に玉の大きさで決まってくると思っています。
そういう観点で見るとこの三台は、撮影素子の大きさはほぼ同じで、TG-620だけがCMOS、それ以外は昔ながらのCCDです。
レンズは、SL300が15枚でほか二台が11枚ですがそれ以上にレンズの大きさ(直径)がまるで違うので望遠時の解像度がまるで違います。
望遠比率についてお店で店員さんからは「20倍以上になると30倍でもあまり違いはないですよ」と言われましたが、実際に撮影した写真に写っている範囲と大きさを見ると、やはりかんり違いがあるので高倍率を選んでよかったと思っています。
光学ズームとデジタルズームの掛け合わせで20倍、40倍になる機種でもかなりがんばっている思いますが、遠くにいる動物や景色を引きつけて撮影した時の画像の荒れ具合は、光学ズームだけで30倍のSL300と全く比較になりません。

 

■総合評価
バイクで北海道ツーリングに行く際、観光地で気軽も持ち歩く事を目的にしましたので、デジ一ではなくこの機種を購入しました。
上にも書いたように昨年も1週間の北海道で約4千枚撮影しましたので、乾電池仕様では電池代が馬鹿にならないので充電池式を選びました。
デジ一だと交換レンズも含めるとかさばり重くなるし、レンズ交換で筐体内部へのゴミの進入も気になります。
その点、このカメラなら安心して使えます。
昨年の夏発売ということもあってかなり値下がりして実質14,000円ほどで購入出来ました。
細かい事ですが、レンズキャップの紛失防止用のひもは少し短かすぎますね。

 

今回のテスト撮影は一番のウリであり高倍率と解像度の検証を念頭に行いました。

これ一台だけだと性能がわかりにくいので、比較する意味で今一番使っている、オリンパスの防水カメラ、レンズ内蔵式のTG-620と、同じく望遠撮影を目的に6年前に購入したパナソニックの10倍カメラDMC-TZ3の三台で、同じ場所で同時に撮影して比べてみました。

まずは、三台のカメラの紹介です。

 

FinePix_SL300のテスト画像

 

FinePix_SL300のテスト画像

 

今回の撮影条件は、

 ・晴天の昼間に撮影
 ・三脚は使用せず、すべて手持ち撮影
 ・撮影画素は、それぞれのカメラの最大画素で撮影
  ブログに掲載するために560pxのサムネイルと、クリックして拡大した1280pxにリサイズ
  サイズ変更のみで、色調・コントラスト等は一切修正していません
 ・撮影モードは、それぞれのカメラの一番おすすめのオートモードにて撮影
 ・露出補正、シャープ補正もせず、簡単モードで撮影しました。

 ※ 下の今回の作例は、すべてクリックで拡大します(最後の「月」をのぞく)

 

■最初は、ビルの途中の階から首都高を撮影した写真です。

ワイド端と望遠端を二枚並べています。

 

【SL300】
さすがに30倍、720mm相当望遠です。

首都高の案内看板のシートのつなぎ目まではっきりわかります。

FinePix_SL300のテスト画像

 

FinePix_SL300のテスト画像

 

 

【TG-620】
このカメラだけ、光学5倍ズームの写真と、さらにデジタル4倍ズームした写真を載せています。

両方利用した20倍、560倍ズームも、拡大率ではSL300には敵いませんが、画質は私的には十分許容範囲内です。

FinePix_tg620のテスト画像

 

FinePix_tg620のテスト画像

 

FinePix_tg620のテスト画像

 
 

【TZ3】
6年前のカメラですが、写真だけ見れば今でも十分通用します。

ただ、起動やレンズの操出速度が遅いので、今のカメラに慣れてしまうとイライラします。

ワイドの写真で、手前の木々の緑は三台のカメラの中で一番緑がきれいに出ています。

FinePix_tz3のテスト画像

 

FinePix_tz3のテスト画像

 

 

■同じ場所から、奥のヒカリエのビルの中間層にあるクレーンを拡大しています。

ワイド写真では判別出来ない小ささをどこまではっきり表現できるでしょうか。

 

【SL300】
さすがですね。

機械の細かく部分まではっきり判別出来ます。

FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
デジタルズームまで使えばかなり大きく見えますが、同時に画像が荒れてきました。

FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
光学ズームだけなので、画像の劣化も少ないです。

FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■また同じ場所で、ヒカリエの右下のビルの看板を拡大しています。

文字の表示ににじむなく表現出来ていますでしょうか。

 

【SL300】
若干、画像にゆらぎが見えるのはこの日が暑くて空気が揺れていたせいでしょうか。

でも文字ははっきり見えます。

FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
手前の首都高のクルマとの大きさで、圧縮効果が十分出ています。

やはり細かい文字は、SL300の望遠には敵いません。

FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
上のTG-620とほぼ同じような感じで表現されています。

FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■花壇のツツジをアップで撮ってみました。

 

【SL300】
少しオレンジがかって表現されました。

奥の方は若干ボケ気味になっています。

FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
少し色が薄く表現されていますが、実物には近いような感じです。

ほぼ全体に同じようなピントの感じです。

FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
光の強い部分が飛ぶ手前でとどまっています。

でも色的には実際の色に一番ちかいようです。

FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■色再現で、デジカメではなかなか出にくいムラサキの花です。

 

【SL300】
FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
ムラサキに関しては、これが一番近いです。
FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
FinePix_tz3のテスト画像

 

 

■再び陸橋の上から最大望遠で比較してみました。

今度は若干逆光気味の場所です。

 

【SL300】
色調は薄くなりますが、これだけ離れた場所でも十分文字がはっきり読み取れるまでに拡大出来ています。

FinePix_SL300のテスト画像

 

FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
デジタルズームを使ってもここまでが限界です。

画面全体が荒れています。

FinePix_tg620のテスト画像

 

FinePix_tg620のテスト画像

 

FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
FinePix_tz3のテスト画像

FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■ヒカリエの近くで下から見上げる位置で撮影しました。

 

【SL300】
他の二機種が28mmなのに比べて、これは24mm相当なので一番ワイドに撮れます。

それだけゆがみも出ていますが、広範囲が撮影出来るのは魅力的です。

FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
光が強くあたって反射しているので少し色が薄くなっています。
FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■場所を変えて道路上を狙ってみました。

 

【SL300】
ワイド写真ではわからない、一番奥にある自販機のジュースの色までわかります。

肉眼では見えない人も判別可能です。
FinePix_SL300のテスト画像

 

FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
FinePix_tg620のテスト画像

 

FinePix_tg620のテスト画像

 

FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
FinePix_tz3のテスト画像

 

FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■花壇に咲いていた花のマクロアップです。

 

【SL300】
明るい部分も白とびしていないのは優秀です。
FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
花びらの下は暗くなっていますが、上の二枚にくらべてボケが少ないようです。
FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■比較写真の最後は花壇の色とりどりの花の再現です。

 

【SL300】
ちょっと暗めに再現されました。

色再現のテストは、また別の機会にくわしくやる予定です。
FinePix_SL300のテスト画像

 

【TG-620】
FinePix_tg620のテスト画像

 

【TZ3】
一番明るく、鮮やかに表現されていました。
FinePix_tz3のテスト画像

 
 

■最後にSL300で月を撮ってみました。

さすがにこれは手持ちでは無理なので三脚に固定して、さらにデジタルズームも使っています。

今日の月はかなりオレンジ色だったので、ホワイトバランスは「電球色」に設定しました。

FinePix_SL300のテスト画像

 

コメント

  1. 迅速で詳細なレポート、ありがとうございます。
    このカメラの特徴を的確に評価されていらっしゃいますね。
    私も同じような感想をお持ちました。
    私の場合は普段はコンデジばかりなので、画質的にはあまり期待していませんでした。
    望遠のおもしろさが手軽に楽しめるのが気に入っています。
    バイクでのツーリングのお供に、コンデジとこのSL300のセットが活躍しそうです。

  2. 早速購入して多摩動物公園で動物を撮って来ました。
    比較のために一眼の画像も載せました。
    まず色味が違います、一眼の設定がヴィヴィットになっていました。
    解像度の違いはありますが、ブログ程度では問題ないと思います。
    AEブラケティング、追尾など格安機にもったい機能もありますね。
    ファインダーの画像が残念です。撮れた画像よりも間抜けに見え
    ます。全体のチープ感がいかんともしがたいです。
    操作はFキーがないよりはマシですが、全体的に操作系も洗練されて
    いなくて使いづらいです。
    昔はレンズの性能がダイレクトにファイルムに記録できたのですが、
    いまは画像変換がとても重要で、そこの処理エンジンはキヤノンや
    ニコンにかなり差をつけられた感はありますね。

  3. サイトを拝見させていただきました。
    すてきな動物たちの表情をとらえていますね。
    デジ一にしっかりしたレンズを付けたものと、
    このようなネオ一眼では画質はまったくことなるでしょうけど、
    私はモニターで見たりブログに載せる程度なので、
    このSL300でも十分遊べます。
    画質だけでなく操作感やレスポンス、シャッターのフィーリングなど
    デジ一とは比較になりませんが、こういうものだと割り切れればアリかなと思います。
    何しろ1万円台半ばの価格で、レンズ交換の手間やほこりの進入の心配もせずに、
    デジ一では高価過ぎる720mmなんていう望遠が手持ちで撮れるんでおもしろいですよ。

  4. はじめまして。
    この手の高倍率カメラもキヤノンやニコンに人気があって、富士の人気は今ひとつな気もします。
    その分安いですね。
    いつもはD7000にVR 70-300つけていますが、半日も撮っていると疲れてきます。
    もっと性能いい大三元は高のはわかりますが、重いのは困りますね。
    高いけど羽根のように軽い交換レンズがあったらぜひ欲しいです。
    さて、動物を撮っていて多摩やズーラシアのように遠くにいる動物のアップも撮りたいときも
    あります。でもブログに載せる程度ですのでいろいろ思案中、SL300も買ってみて比較
    してみたいと思ってたので、詳細な記事参考になりました。

  5. コメントありがとうございます。
    こういう記事を書くのが好きなんですね。
    >写真の写りは個人の好みがあるので色々な意見もあるでしょうけれど
    私もそう思います。
    ほかの方の記事を読んでも、どうもピンとこないものも多いです。
    おいしい物の味と一緒で、好みの問題も大きいですね。

    私も以前はデジ一をハーレーに積んで出かけた事もありますが、
    カメラバッグから大きなデジ一を持って歩くのは、
    精密機械でもあり重たいのでかなり面倒になりました。
    このSL300も決して小さくて軽い訳ではないですが、
    それでも気軽さに持ち出せるのはデジ一の比ではないですね。
    北海道でどんな写真が撮れるか、楽しみです。

  6. メカ好きおじさん こんにちは
    いつも詳細なレポで、楽しく興味を持って読み進む事が出来ました。三機種を比較すると違いがよく判りますね。写真の写りは個人の好みがあるので色々な意見もあるでしょうけれど僕はSL300が欲しくなりました。ただサイズ的に胸のポケットに入らないところが残念ではあります。こんど近くの電気店でSL300実機を見てみます。

    僕は一度、ツーリングにデジイチを持っていった事があり、撮った写真の画質は流石に良いものだったのですが撮影の手間とカメラのカサバリを考えると二度と持っていくことはありませんでした。いまではコンデジを使っていますが限界を感じています。

    メカ好きおじさんのツーリング写真がさらにパワーアップしますね。
    楽しみにしております。

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