オーダーいただいたミニ・ランドセル完成、制作手順紹介(制作動画あり)

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数日前にアップしたこちらの写真、「この時期に作りたくなるレザークラフト」と題してミニ・ランドセルとライダース革ジャンを載せていました。

ミニ・ランドセルもいっぱい作ってきましたが、今手元に残っているのはこの3点です。

これらの写真をご覧になったかどうかわかりませんが、「掲載されているランドセルは販売されていますか?」とお問い合わせに「これらはだいぶくたびれているので販売はできませんが、ご注文いただければ新たにお作りすることはやっていますよ」とお答えしました。
それではということで、正式にオーダーをいただいたのが火曜日の夕方のことでした。
 
今回はその制作工程を紹介しています。
ブログの最後に、今回のではないですが以前つくったパープルのランドセルの制作工程動画を載せておきました。
 
夕食のあと早速作業に取り掛かりました。
サイズは掲載のもの(高さ約10cm)と同じでいいとのことでしたので、型紙は以前つかっていたものをそのまま使えます。
革も赤いランドセルをご希望とのことだったので家にあったもの、1.8mm厚と1.0mm厚をつかいました。
型紙を写してすべてのパーツを切り出し。
床面とコバをトコノールで処理します。

今回のランドセルで一番手間と時間がかかったのはこの40cm近い革漉きです。 冠(かぶせ)の縁をリアルに見せるために使うのですがたいへんでした。
一日目といっても夜だけですが、の作業はここで終了です。

 
オーダー二日目は午前中に家の用があったのでお昼すぎから作業再開です。

各パーツのかしめ用の穴をポンチで開けていきます。

ご注文いただいた時にはオーダーにありませんでしたが、各パーツに飾りステッチを入れた方が豪華にそしてホンモノらしく見えると思って、菱目打ちを打っていきます。

特にこの肩ひもの部分のステッチは目立ちますのでぜひとも入れたいです。

飾りステッチ用の穴が開いたら縫い始めます。
これは冠(かぶせ)の部分です。
こういう時には自作したレーシングポニーが大活躍してくれます。

細長い肩ひもも、ステッチにはさんで作業します。

飾りステッチを入れるパーツには全部入りました。
左から、前段、下ひも、冠(かぶせ)、マチ、肩ひもです。

二日目の作業も終了です。 ここまで丸一日の作業でした。
 
作業三日目。
マチに錠前金具を留めて、差込み(ベロ)も準備します。
さらに下ひもにバックル(クダ尾錠)を付けたものをカシメで留めておきます。
ここはマチを立体に縫ってからではカシメや金具を留めにくいので先につけておきます。

前段に前段ポケットを付けます。
白いのは両面テープで仮止めにしていますが下部分は縫い付けておきます。

いよいよランドセル本体を立体に縫っていきます。
まずはマチに前段を縫います。
角の部分からマチが立ち上がって立体になるのできれいなカーブになるように一目づつ絞りながら縫います。

半分だけ縫い終わりました。

前段部分をマチに縫い終わり形が見えてきました。

次に本体背中側を縫っていきます。
私のつくり方は、前段と後ろで巻き込み方が違います。
いろいろ試作してみた結果、この方法でやってきました。

背中部分全体もマチに縫い終わり、しっかりとした箱型に仕上がりました。

ここからかぶせに取り掛かります。
今までの作品ではやっていなかったのですが、今回は特別に赤いランドセルに合う柄の布を買ってきて冠裏に生地を貼ってみました。 

接着剤が完全に乾いたら、革漉きに手間のかかった縁まわり、つまみ革を貼っていきます。
これがあるとないとではリアル感が全然違います。

冠裏には透明ケースを貼って中に時間割を入れます。 これは差し替え可能にしています。
また前段ポケットにも裏から透明ケースを貼って、こちらには学年と名前シートを入れます。

ここまで各パーツが出来たのであとはこれらを組み合わせていきます。

本体裏の背当てには、白い柔らかい豚革の中にクッションを入れて背負った時に痛くないようにしておきました。
背かん、取っ手、冠を本体にかしめで留めます。

完成しました!

この角度から見るとホンモノのランドセルに見えるでしょうか。


手の上にすっぽり収まるかわいいサイズです。
チラッと見える冠裏のピンクチェックの裏地がいい感じです。

取っ手を持って歩けます。

せっかく取っ手も付けたので、ここに引っ掛けられるように3Dプリンターでスタンドを作ってみました。

冠を開けてみたところです。

ご注文いただいた時に、「ノートと木製定規」をご指定いただいたのでそれも作成しましたが、あわせて三角定規風のものもつくってみました。

こちらは黄色い水筒です。

ランドセルの中身がこぼれ出てところです。

オーダーいただいた方のところにお届けするのに壊れないようにケースに入れ、ランドセル本体と中にいれる小物、スタンド一式をお届けしました。
よろこんでくださるでしょうか。

 
それでは最後に、今回の赤いランドセルではなく以前作成いたパープルのランドセルの制作工程を紹介する動画を載せておきます。

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