それは今年の元日の朝のネットでの記事から始まりました。
年が開けておせちで朝を迎えた後、パソコンに向かいXをチェックしていたらこんな写真を見つけました。(画像はかに太郎さんのサイトからお借りしています)
北海道白老町のかに料理専門店「かに太郎」に関する情報をXで発信されている「山下やすし🦀かに太郎息子双子兄」さんのサイトです。
そこには、
「東室蘭実家デザイン凄いの見つけました〜‼️😳
北海道白老町竹浦の「かに太郎🦀」の50数年前の開業前の建物デザインです✨
(AI画像生成ではありません🙅♂️😅)
当時は大きな毛ガニ🦀看板の玄関入口オブジェクトをデザイナー🧑🎨さんに描いてもらい、ほぼデザイン通りの外観で開業しました😊」
とありました。
北海道道南を函館から東海岸沿いに八雲町、長万部、室蘭、登別と北上していくと、倶多楽湖の南東の235号線沿いにそのお店が見えてきます。
私も何度か北海道を旅した時にここを通っていました。
でも現在は白い外壁でかにのオブジェはありません。
1974年の開業当時にはこんな姿だったんですね。
とっても変わった外観で見ているうちになんとなくこの建物を模型でつくってみたくなりました。
幸い3Dプリンターといういろんなモノをつくれるマシンがあるのでこれを使ってやってみることにしました。
まずはその特徴的な外観の建物からです。
手元にはその建物の写真がないのでネットに掲載されているものやGoogleストリートビュー、マップのものを参考にしました。
建物自体は正12角計なのですが壁は垂直ではなく上方が外側に傾いています。 また屋根の方もその12角計に合わせて複雑な傾斜になっています。
そして一番手強いの入口のどーんと大きくあるかにのオブジェです。
ここはどうしてもリアルな形にしたいのでこれもネットの写真から作図することにしました。
これらを試行錯誤しながら3Dソフト「Autodesk Fusion」でなんとか作図していった過程がこちらです。
作成したデータを元に試作品として一旦3Dプリンターで印刷してみました。
この段階ではかにのオブジェと建物は一体化してつくっていました。
しかしこのソフトでつくったかには平面に厚みをもたせたものですが実際には脚を丸くするにはもっと厚くして削る必要があります。
それに脚を中空で印刷するとうまくできないので、かにと建物を分離して印刷するように変更しました。
つくりなおしたデータがこちらです。
印刷してできたものですが、かにの甲羅の表面は左右で角度を変えて山なりにしたので積層痕も目立っています。
甲羅の費用面をヤスリで削って滑らかにするとともに、脚と爪の部分はリューターで削って立体感を出していきます。
途中までできた左上のモノと爪と脚の一部だけ削った右下のモノを比べてみれば立体的になったとわかっていただけると思います。
建物の方もどういう方法、角度で3Dプリンターで印刷するのがいいのか、かなりの回数試してみました。
建物のまわりに柱のようにいっぱい立っているのは、3Dプリンター特有のサポート材で、オーバーハングでせり出して空中に印刷部分の支えになるものです。
建物の内部は空間が広がっていますが、屋根を支えて印刷するためにここもサポート材がいっぱいできています。
これらをニッパーやカッター、リューターなどで取り除いていきます。
こちらが試作を重ねてつくっていったものの一部です。
建物と一緒に、隣家との境のフェンスや屋根の上についていたかにのマークのある小さなプレート、それに煙突なども印刷しています。
建物の外壁にも印刷した時の積層痕が出ていますのでこれも削って滑らかにします。 また窓枠の中にもバリができていますのでこれもダイヤモンドヤスリで少しづつ削っていきました。
開業当時の特徴は赤と青で塗られた外壁です。
最初は塗料を筆で手塗りしたのですがムラが目立ってしまい気に入らないので、急遽ネットで缶スプレーを注文しました。
外壁を塗装する前に建物の内部をアイボリーの缶スプレーで塗っておきます。
右が塗った後です。 屋根の裏側はフィラメントが雑になっていますがあまり見えない場所のなのでこれ以上削るのは手を抜きました。
さてここからスプレー塗装になります。
はじめに赤をスプレーしますので青くするところと壁の堺の白く残すところにマスキングテープを貼ってカバーしておきます。
庭に出てスプレー開始です。
まずは軽くシュッシュッっと砂吹きでで足つきをよくさせておきます。
その後5回ほどスプレーをしてしっかり色をのせました。
一晩おいて乾いたところでマスキングテープをはがしました。 ふつうは半乾きのときにはがすのですが今回は一晩だってからにしました。
今度は赤くスプレーしたところをマスキングして青いスプレーを吹きます。
青い外壁が塗れたら屋根はオレンジに赤を混ぜた色を塗ります。
かには赤く塗って甲羅の周囲は電飾でしょうか、金色の点々を付け「かに太郎」のシールを貼ります。
かにと建物を接着して屋根にかにのイラストと「営業中」と書いたシールを貼ったものをつければ完成です。
当時の写真が少ないのと、後ろの方の様子がわからいので想像になりますが、こんな形でよかったでしょうか。
今はもう見ることができなくなった開業当時のかに太郎さんの外観ですが、当時の様子を再現できていますか。
ぜひかに太郎のご主人に見ていただいて感想をお聞かせいただきたいものです。
かに太郎ジオラマの制作工程~ep.1 開業時建物

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