少し前から、ハーレーで出掛けていた時にどうもライトが明るくないような気がしていました。
夜、暗くなってから走る事はほとんどなくて、せいぜいトンネルの中で、自分の前があまり明るくないかなと思う程度でした。
でも気になったので先日チェックしてみると、イグニッションをオンにすると点灯するはずのライトが点いていません。
「Low」の位置だと下にある小さなポジションランプだけが点灯しているだけです。
試しに「Hi」の位置にすると、ちゃんとライトが点灯します。
「走行用(ハイビーム)」及び「すれ違い用(ロービーム)」とも前照灯と呼ばれているので、エンジン始動時や信号待ちの電力カット用にスイッチ等を追加して前照灯を消灯できない構造に改造する事自体が違反になるそうです。
(正しくはわかりませんが、法解釈だと1996年以前の旧車等でバッテリーやオルタネーターの弱い車種は対象外になるんでしょうかね。)
さらに、二輪車のヘッドライト(前照灯)についての「常時点灯義務」について調べてみました。
(2011年12月調べ)
国土交通省のサイトにある最新の「保安基準等関係基準」から、
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/kokujitou_index.pdf
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】
別添53(二輪自動車等の灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の技術基準)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_053_00.pdf
ここに書いてある内容によると、
「5.1.8. 二輪自動車及び側車付二輪自動車に備える走行用前照灯及びすれ違い用前照灯は、5.1.1.から5.1.7.までの規定によるほか、原動機が作動している場合に常にいずれかが点灯している構造でなければならない。」
となっています。
要するに「エンジンが掛かっている時(走っている時だけでなく停止状態でも)、ヘッドライト(ハイビーム又はロービーム)のどちらかが常時点灯している事」と定めています。
もちろん私のハーレーは、ヘッドライトが常時点灯していないと違反になるので、バルブを買いに行くまで、暫定的に手持ちの予備のヘッドライトに付け替えます。
自動車のヘッドライトから外した「H4タイプ」のバルブがあるので、とりあえずこれを付けておきます。
ネットや雑誌等には、「バイクには振動対策がなされた二輪用バルブを使うこと。 自動車用だと振動で切れやすく寿命が短くなります」といわれています。
でも一方で、自動車用でも問題なく数年以上使えていたり、反対にバイク用でもすぐに切れてしまう事があるようです。
さらにバイク用は1個なのに2個セットの自動車用の半額になっておらず、かなり割高感があります。
下の写真は、今回外したハーレーに最初から付いていたバルブ(左、ドイツ製)と自動車(パジェロ)に付いていた純正バルブ(右、日本製)です。
耐震性を高める構造は見当たらず、素材等にもほとんど違いが無いような気がします。
夜間走行、トンネル走行で、ライト切れでの走行は違反である以前に非常に危険ですので、安全のためにも二輪用を使っておいた方が安心でしょう。
まあ、もし切れてしまったとしても、ハイビームとロービームが一度に切れる事は少ないので、ライトユニットの角度を変えて暫定的に使用する事も出来ます(おすすめはしませんが)
【追記】
2011/11 この後、1年以上この状態で使っていますが、切れる事なく普通に使えています。」
振動等の影響も無いようなのでまだまだ大丈夫そうです。
ライトのバルブ交換は、整備というほどのものでもないほど簡単ですが、初心者の方のために参考までに書いてみました。
ハーレー以外でも、カウル無しのバイクならほぼ同じような手順で出来ると思います。
使う工具もプラスドライバー1本だけですので、車載工具でも構いません。
1.ライトのリムを固定しているネジをゆるめる
最初にライトの下にあるプラスのネジを外します。
(赤丸の1ヶ所だけです)
2.リムを外す
ネジ1本外すと、リムが外れます。
ハーレーは左に少し回して、リムの溝と本体金具の爪を合わせた位置で外れます。
私のFLSTCには、オプションのライトバイザーが付いていますのでこれも一緒に外します。
3.ライト本体を固定しているネジをゆるめる
本体は、周囲の3本のネジで固定されています。
(赤丸の3ヶ所です)
プラスネジを外します。
一気に取ってしまうとライト本体が落下しますので、手で支えながらゆるめます。
4.ライト本体を外す
本体を落さないように注意しながら前に引き出します。
あまり前に出すと、コネクタにつながっているケーブルが断線してしまいます。
5.ライトコネクタを外す
バルブにつながっているコネクタを外します。
手前に引っ張るだけで、3本足のコネクタが取れます。
6.防水用カバーを外す
ライトに被せてあるゴムのカバーをめくりながら外します。
7.防水用カバーを外す
作業をしやすくするために、ポジションランプのコネクタを外します。
二つの別々のコネクタをそれぞれ左右に引っ張ってはずします。
少し固めにとまっていますのでケガをしないよう注意して外します。
8.バルブを留めている構造を確認する
ここまでの作業で、ライトとバルブの後ろ側が見えてきました。
バルブ自体はネジ等で固定されているのではなく、複雑な形に曲げてある針金で押さえてあるだけです。
その留めてある構造を覚えておきます。
(ハーレーは赤丸の1ヶ所がケースに引っ掛けてあるだけです)
わかりにくい時は、デジカメで写真を撮っておきます。
9.バルブをはずす
さきほどの場所の針金を押し込みながら外れる方向にずらすと
針金が回転して、バルブの口金を抑えているのがゆるみます。
バルブの足や口金をもって、ガラス部分を触らないように、ケースにぶつけないように
慎重に引き抜けばはずせます。
はずしたバルブは丁寧に扱います。
10.ライトの内側を掃除する
せっかくライトが外れたのでライトの内側をチェックします。
高温のライトが点いたり消えたりするし、湿気等でライトの内側が白っぽく曇っている事があります。
この機会に拭いておきます。
割り箸にクロス(というより雑巾)を輪ゴムで留めて、バルブの穴から差し込んで拭きます。
この時、ライト内側のバルブカバーを変形させないように注意します。
また、反射板のメッキ部分にできるだけ触れない方がいいですね。
写真はだいぶ拭けて、曇りが取れてきたところで、
上の1枚目、3枚目の曇っている写真との違いがわかると思います。
11.新しいバルブを取り付ける
用意した新しいバルブを取り付けます。
手順は今までのまったく逆におこなえば結構です。
すべてをセットし終わったらちゃんと点灯するか、
ハイビーム・ロービームの切り替えが出来るかをチェックします。
この手順であれば、ライトの光軸がずれる事はないと思いますが、念のために確認しておきます。
厳密にいえばハイビームで、ヘッドライトから10m前方で、光軸の中心がヘッドライト取り付け高さに比して水平から取り付け高さの1/5までの間に収まっていること。
もちろん左右にズレていてはまずいです。
簡単なメンテナンスですが、バルブ交換を依頼するだけでも工賃が掛かる場合がありますので、自分で作業すれば安上がりで出来ますね。
【その後の経過】
クルマ用のバルブに交換してから4年、経過しました。
今でも切れることなく全く問題なく使えています。
なにも高いバイク専用にする必要性が感じられませんね。
コメント
57歳のリターンライダーさんへ、
ハロゲンタイプのH4バルブの交換なら、
この記事の内容だけですので、
誰でも簡単に出来ると思います。
売り場を見ると「60/55wで135w、110w相当」とかを
うたい文句にしている製品もありますが、
数値ほどの明るさの違いを感じません。
でも色温度の、標準のオレンジ色っぽい色と
白色系(青白系)との違いはわかりますよ。
橙系の方が霧の時には相手から見やすいですが、
フォグランプのある車種のハーレーなら、
ヘッドライトは白色系でもいいでしょう。
私も次回は、そんな感じで選ぼうと思ってます。
助かります! ヘッドライトが少々暗いな?って思ってて、自分で交換してみようかと思ってたところでした。
カーショップやDIYに行くと、いろんなバルブが置いてあってテストできるようになってますね…しかし、どれが良いのか解らないですね?
仙人さんへ、
ハーレーも、ライトの大きなタイプと
スポスタやFX系の小さなタイプで違うみたいですね。
私は、夜間走行する機会がほとんどないので
あえて高輝度なHIDにするつもりはないですが、
もう少し白っぽい光がいいかなと思っています。
定期点検は、今まで6、12、18、24ヶ月と
すべてディーラーでやってきましたが、
この30ヶ月点検はパスしようかなと思っています。
来春はいよいよ車検になります。
10万円超えの予定なので今から貯金してます。
なるほど、スポスタとはライトカバーの取り付けが違いますね!
また、うちも交換作業入れてみよ?♪まだ切れてませんが(^^;
実はイエローバルブに換えようかと言う感じです。
来年の車検の後にしようかなぁ。というより、最後の定期点検30か月目まだ行ってないので行かなきゃ!
そういえば、メカ好きさんのハーレーは定期点検もこの修理ついでにするのかな?