洗面所で使っているペダル式の自動開閉ダストボックス。
足でペダルを踏むだけでフタが開くので、両手がふさがっていても使いやすく、とても便利です。
さらに内側に取り外せる丸いゴミ箱が入っているので、ゴミ捨ても簡単です。

ところが最近になって、ペダルを踏んでもフタが開かなくなってしまいました。
新しいものを買うことも考えましたが、まだ本体は十分使えそうです。
そこで3Dプリンターを使って修理してみることにしました。
壊れた原因を調べてみる
まずは構造を確認してみます。
ペダルを踏むと、この棒が下へ動きます。

その動きが底を通る棒を回転させます。

さらにもう一本の棒を押し上げ、てこの原理でフタを持ち上げる仕組みです。

底を見てみると、ジョイント部分がビニールテープと針金で補修されています。

分解してみると、棒同士をつないでいる黒い樹脂製パイプが完全に折れていました。
どうやら以前にも壊れ、一度応急処置していたようです。

このままでは毎回手でフタを開け閉めしなければならず、とても不便です。
昔なら代用品を探していたところですが、今は3Dプリンターがあります。
今回はオリジナルの部品を作って修理してみます。
最初の試作品を製作
壊れた部品の寸法を測り、Fusionでジョイントを設計しました。

印刷しやすいように、一方は丸パイプではなく四角い形状に変更しています。
接地面積が広くなり、3Dプリント中の安定性が向上するためです。
完成した部品を壊れた純正部品と並べてみました。

「これで完成!」と思ったのですが…。
実際に取り付けてペダルを踏むと、四角い部分にヒビが入り、あっさり割れてしまいました。
そこで強度を上げるため、角パイプ部分を太くして再設計しました。


さらにアルミテープで補強し、その上から針金で固定します。

取り付けると、ちゃんとフタが開閉するようになりました。

動くけれど、まだ問題がありました
ところが、よく見ると部品が途中で折れ曲がっています。

原因を考えてみると、ペダル側の棒は回転しながら円弧を描いて動きます。
一方、フタ側の棒は上下方向にしか動きません。
つまり、ジョイント部分には常にねじれ方向の力が加わっていたのです。
これでは壊れるのも当然でした。
純正部品を見直すと、柔軟性のある素材で作られていたため、このねじれを吸収できていたのでしょう。
可動式ジョイントへ設計変更
そこで発想を変えました。
無理に固定するのではなく、ピンを中心に自由に動く可動式ジョイントに設計し直します。

3Dプリンターで印刷した完成品です。

ジョイントが自由に角度を変えられるため、二本の棒が無理なく連動して動くようになりました。

ダストボックスへ取り付けて動作確認すると、ペダル操作もとてもスムーズです。
以前より負荷が少なく、耐久性も期待できそうです。

まとめ
今回の修理では、単純に壊れた部品をコピーするだけでは解決できませんでした。
実際に使ってみて失敗し、その原因を分析し、設計を見直すことで、より使いやすい部品へ改良することができました。
3Dプリンターの魅力は、メーカーが部品を供給していなくても、自分で設計・試作・改良を繰り返して修理できることです。
また一つ、捨てられるはずだった家庭用品を復活させることができました。
こうした「作って直す」楽しさこそ、3Dプリンターならではの醍醐味だと思います。
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